企画は、ひと言【読書レビュー】
レビュープラスさんから「企画は、ひと言。」を頂いて読みました。
著者はスーパー速書きメソッドの読書レビューで紹介した石田章洋さん。「スーパー」の方では構成作家&プランナーという肩書でしたが、本書でのプロフィールは放送作家。「スーパー」は書き仕事におけるフレームワーク集として紹介しましたが、こちらはタイトルの通り企画にフォーカスした内容です。
そして本書の要諦を簡潔にまとめるなら、まさに「企画は、ひと言。」ということになります。企画のコンセプトをひと言で言い表せなければ良い企画とは言えないというのが本書の根底にあります。
つまりはひと言で言い表せるほど、その企画を説明する上で不必要な贅肉をそぎ落とし、研ぎ澄ませ、かつ意味の伝わる、そして「実現可能性」を感じさせるコアなメッセージが企画で最も大切なことと著者は指摘します。放送作家という仕事柄、そこには「成果」を意識した意図が見えます。いかに新規性のある企画でも、それが実現可能なものでなければ企画がなかったことと同じことになります。
また本書で言うところの企画には、イノベーションの要素が多分に含まれています。名著「アイデアのつくり方」からも引用して触れられているようにイノベーションとはゼロから生み出すものではなく、既存のものの組み合わせであると言います。全くの「ゼロ(これまで全く前例がないことなど)」から生み出された企画は一見すると新規性や奇抜さからその可能性を感じさせますが、ゼロはそれだけリスクをはらみます。可能性は感じられても、ビジネスの世界においてそのリスクを取れるかどうかは非常に厳しいと著者は指摘します。
ひと言という極限のシンプル化はとても難しい場合があります。その企画の面白味や内容をひと言にまとめるということは、実際にやってみようとするとなかなか難しいと思いますが、それを行うための手法が本書には多く紹介されています。
個人的な琴線に触れたのは、企画における知識面の重要性です。企画に関係した業界で過去に行われたことなどは知っておく必要がありますし、世の中の新しい情報を取り入れておかなければ時代遅れの企画を出してしまうことにもつながります。一方で過去に行われたことなど、歴史を振り返るということもまた学ぶ点が多いと感じています。
いずれにせよ、本書の手法を参考にして実際に企画を作ってみることが肝要ですね。ぜひ試してみたいと思います。
コメント ( 2 )
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ご紹介ありがとうございます!
石田様
著者自らコメント頂きましてありがとうございます。
同じ岡山出身ということで、同郷の方の活躍はとても嬉しいです!