本気で変わりたい人の行動イノベーション【読書レビュー】

本気で変わりたい人の 行動イノベーション --- 本当の欲望に素直になれば、やる気が目覚める―レビュープラスさんから「本気で変わりたい人の 行動イノベーション」を戴いて読みました。

本書で紹介されている「行動イノベーション」とは読んで字のごとく、行動を起こすための革新的な方法と言えば良いでしょうか。ただしその行動を起こす前の段階として、アルフレッド・アドラーのアドラー心理学を根底とした考え方のプロセスが紹介されてあり、この考え方と行動の二つがセットになったものが、筆者の言う行動イノベーションの要です。

アルフレッド・アドラーはここ最近ビジネス・自己啓発系書籍で脚光を浴びる機会が多いようですが、元々心理学の大家フロイトの教え子でもあり、同じくフロイトの門弟であるユングとも並んで「心理学の三代巨頭」と称されています。

アドラーの専門である心理学系ではなくビジネス・自己啓発系での注目が集まっているのはここ最近の傾向らしいといえばらしいように思います。昨今、ビジネスマンの間でも教養(リベラルアーツ)の重要性が注目されていることもあって、特に古典への回帰を目にすることが多くなりました。

古典における普遍性への評価が高まるに連れて、ビジネス書もただ単にノウハウや成功例といった表面的な内容では満足されなくなりつつあるように思います。もちろんノウハウや成功例も読む人によっては魅力的な内容ではあるかと思いますが、莫大な量の書籍が生み出される昨今にあってはよりハズレのない書籍を読みたい=読むのに足る根拠をもった書籍に出会いたいというのが人情と思います。

そういう中にあっては本書のように、アドラー心理学というある意味古典に属する要素を根底にした上で展開される書籍が魅力的に写るのも納得がいくような気がします。

こう書くと本書を誉めるよりも逆の意味に捉えているように思われるかもしれませんが、実際のところその評価はまだ自分でも決まってはいません。というのも本書の要諦は、実際に本書で紹介されている行動イノベーションを実践してみなければ発揮されないと思うからです。

本書を読んでまだ数日も経っていませんし、実際に本書で紹介されている事例でも、行動イノベーションを実践し始めてからその効果が出るまでに月日を要する場合もあるようです。もっともかかる日数については問題ではなく、この手法を試す方が望むような成果につながれば良いと思いますし、実際に自分も試してみたいと思っています。

行動イノベーションの手順は「50秒セルフトーク」「10秒アクション」という二つの小さな思考と行動に分けられていて実践しやすいように思います。ドラッカーがイノベーションについて「小さく始める」ことを薦めているように、序盤の小さな成功体験の積み重ねが重要だということは普遍的なことなのかもしれません。

一方でフラットな視点(というよりちょっと斜に構えた風)で捉えた場合、この手法が万人に当てはまるということもまた言い切れないわけで。ライフネット生命の出口治明さんは「成功体験はいくらでも後付けで考えられる」と述べ、成功者と言われる人のノウハウや体験が他の人にも同じように使える保証は無いとしています。確かに成功体験は後出しじゃんけんでも説得力を持つところがある意味で厄介かもしれません。

ということで色々な方向性で本書を考えてみました。

少し要点は外れますが、本書の中で個人的に琴線に触れたのは「夜と霧」の著者ヴィクトール・フランクルがアドラー心理学の影響を受けていたという一節でした。また、実はアドラーについての電子書籍が格安で売られていたときに買ったきりで読んでいなかったので、これを機会にそっちも読み進めたいと思います。

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