もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?Vol.1【読書レビュー】


レビュープラスさんから『もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?Vol.1』をいただいて読みました。

タイトルの通り、もしある企業の最高責任者だったとしたら、現状の課題をどう捉え、どういう施策を打つべきかについて考えるためのテキストです。本書の特徴はそのケーススタディとなる素材が過去の古い事例ではなく、今現在する企業を例に、しかも未来のことを考えるという点においてです。

未来のこれからを予測した上で、ではどうするかという施策を著者が提示するという形のため、絶対的な答えが誌上で提示されるわけではありません。が、読み手としてはこの点が本書を面白いと感じさせるポイントになっています。

一つは、企業における現時点での現状をベースにした話題のため、時代に合った内容を学ぶことができる点です。古典のような古い事例から学べることもたくさんありますが、本書のように最新の市場や企業の状態をモデルにした内容は新鮮味があり、それだけに興味を惹かれます。

もう一つは、本書で提示されている施策の答えの成否がまだ分からないということです。課題に対する正解が提示されている方が良いという意見もあるかもしれませんが、このまだ「正解かわからない施策」が提示されていることが、本書の魅力の一つでもあると思います。

各企業の事例では様々な統計や情報から現状を分析し、そこから各企業が抱える改善点を網羅した上で、課題を解決するための施策がいくつか提案されています。いずれも筋は通ったストーリーだと思うので(いくつかは自分の考えとは少し異なる箇所もありますが、本書を読む上ではそういう思考こそ歓迎されていると思います)、話の展開から導き出された施策について、企業が本当にこのような内容を実行するのか、はたまた全く違う発想のてんかいがあるのか、そしてそれらが成功するのか否かということも含めて、本書を読み終わったあともいい意味で興味を惹かれる内容だと思います。

個人的には任天堂の事例が興味深かったです。ネットの危険性について講演をすることがあるのですが、必ずゲーム機の話題が出てきます。任天堂から発売されているニンテンドーDSなどは話題の代表格ですが、そのゲーム機市場において様々な変化が起きており、これからゲーム市場も様変わりしていく可能性が指摘されています。そうなった際にゲーム機と子供たちとの関わりが変わっていくなかで、今現在にはないような問題が新たに起こってくることも想定されるわけで、市場の今後を予測するだけでなく、自分に関わりのある社会問題にも関係してくると思われる点が興味深かったです。

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