読書初め:川の深さは
年始めに福家に行った時、読書をして過ごしたと前に書きましたが、その時に読了したのが福井晴敏著「川の深さ」です。
この本は一万円選書(その名の通り一万円分の本を選書してくれるサービス)で有名ないわた書店さんで、まさにその一万円選書で選んでいただいた中の一冊です。
本の中で個人的に小説を読む割合は少ないのですが、選書してもらったラインナップの中には小説が多く、せっかくなのでと時間を見つけては少しずつ読み進めていて、年始めにようやく読み終えました。
福井晴敏さんは「亡国のイージス」という作品で有名です(読んだことはないのですが書名は耳にしたことがありました)が、「川の深さは」の著者とは知らず読み進めていました。以下著作の紹介文です。
命をかけて守るべき人が君にはいるだろうか。「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿(かくま)い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。出版界の話題を独占した必涙の処女作。(講談社文庫)
地下鉄テロ事件といえばオウム真理教事件を思い浮かべる方もいると思いますが、まさにそれを想起させるような記述もあります。驚くのはその緻密さというか専門的知識の深さというかで、作中の事件や組織構造などの描写がとても詳細かつ繊細。優れた小説は物語の中で読み手に体験をさせると言われますが、まさにそう感じながら読み進めました。
小説はあまり読まないと言いましたが、と同時にいざ読んでみると「読んで良かった」と思うことがよくあります。それはやはり物語を読むことで別の世界を体験できた充足感を感じるからなのかもしれません。今年は小説を読む量を増やしていきたいと思っています。
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