「勝ち続ける経営 原田泳幸の経営改革論」
デフレまっただ中で価格競争の激しい外食業界(特に牛丼業界の値下げ競争は熾烈)。そんな中にあってCEO就任から7年連続業績をプラスに転換させた(しかもそれまでマイナス成長の状態から)のがマクドナルドのCEO、原田泳幸さん。その原田さんの著作「勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論」には、経営に関する要諦がマクドナルドの実例とともに分かりやすい文体で書かれています。
基本に忠実に。ただし、革新的なやり方で!
上は帯に書いてあるキャッチなんですが、ドラッカーの「マネジメント」を読んだことがある人ならピンと来るかもしれません。基本と原則の重要性を説いたピーター・F・ドラッカーの一節を思わせますし、「強さをより伸ばす」「自ら変革を起こす」といった言葉もドラッカーの著作でたびたび登場する重要なキーワードで重なる点が多々あります。とりわけ本書では「基本に立ち返る」ことの大切さを繰り返し説かれています。
単に「基本や原則に立ち返る」という言葉だけを聞いても、実際にどうしたら良いのか分からない、基本に立ち返るとは何か?という疑問も、本書では実際マクドナルドが行ったV字回復への施策が分かりやすく書いてあります。そういう意味では「もしドラ」に近い感じで読めました。また、これまでマクドナルドが行なってきたことだけではなく、今後の展開についても書かれているので、マクドナルドがこの先どういったサービスを展開していくのかを垣間見ることもできます。
ちなみに原田さんが就任されてからこれまでマクドナルドでは値下げを一切行なっていないどころか、この8年間で6回値上げしているそうです。曰く「価値を上げて値段を上げる」。言うのは簡単ですが真に実行され結果を出しているところに原田さんとマクドナルドの凄みを実感します。
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