統計学ブームとデータサイエンティストはビッグデータ隆盛からの必然
新聞やビジネス系ニュースで「ビッグデータ」の話題を目にしない日はないくらいのこの頃です。
インターネットの普及は前々からですが、スマートフォンやタブレットの普及が後押しする形で、日々やり取りされるデータの量が指数関数的に増大していること、そしてクラウドサービスやソーシャルメディアの普及によってそのデータの中に個人情報が多く含まれる傾向があることから、この巨大なデータ(ビッグデータ)を解析することでビジネス面での利活用を推進しようという大きな動きが起きています。
表題の統計学ブームは今年(2013年)初めかそのちょっと前くらいから徐々に出てきた感があります。
日本では「統計学が最強の学問である」が発刊された辺りからビジネス誌で統計学が取り上げられるようになりましたし(週刊 ダイヤモンド 2013年 3月30日号など)、統計学に詳しくないビジネスマンなど初心者向けの統計学本(「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本などは敷居の低い感じで分かりやすそうです)。
また、2013年の今年は働き方の変化や無くなっていく仕事などにフォーカスした話題が多かったようにも思います。
「COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年1月号」では世界から仕事が消えていくという特集の中で、「10年後も食える仕事」9つのうちの一つに「統計専門家」が挙げられています。この統計専門家は現在「データサイエンティスト」という名前で注目が集まっています。
注目される「データサイエンティスト」という仕事
ビッグデータが隆盛の兆しを見せる中で、そのデータを扱う職種であるデータサイエンティストに注目が集まることは必然かと思いますが、その理由としては逆説的な意味を含んでいます。つまり「データはたくさん集めたものの、それをどう活用していいか分からない」という問題が起きていることが考えられます。
せっかく大量の個人情報やビジネスチャンスに関わる調査データを集めたとしても、それをどう分析・解釈して業務に反映すればよいかの仮説や答えを導き出せなければまさに宝の持ち腐れになるからです。データから成果を挙げる役割を担ったデータサイエンティストは「21世紀で最も魅力的(セクシー)な職業」とも形容されます。
データサイエンティストの仕事は今後多方面に活かされるのと同時に、多様なスキルを求められるかもしれません。
多方面というのはビジネス面だけでなく、防災や医療など様々な分野での活躍が期待されるということです。多様なスキルというのは「データサイエンティスト」という名前からは意外に思われるかもしれませんが、この仕事に求められるスキルは統計学の知識や分析力だけでなく、コミュニケーションも重要なスキルの一つになります。
なぜならデータを分析して出した仮説をクライアントや同僚に説明する必要が出てきますし、データ活用の方向性や計画の策定にもやはりパートナーとのコミュニケーションは発生します。データサイエンティストの仕事はその人一人で完結するわけではなく、その成果が活かされる場所はやはり組織であることが考えられるため、コミュニケーション能力も必須と考えて良いのではと思います。
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