『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』
最近読むジャンルとは異なる系なんですが、レビュープラスさんから読む機会を頂いたので『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』を読みました。
中身はタイトルで表されているように、弁護士の著者が被告や検察、裁判所という現場で得た交渉テクニックのポイントを紹介しています。
大筋の流れとしては「心理戦を制する三つのステップ」を挙げ、それを順に紹介する形で構成されています。ステップはそれぞれ以下のようになります(1と3が同じですが内容はもちろん異なります。
)。
- 感情に対処する
- 論理的に説得する
- 感情に対処する
紹介されている各テクニックやポイントについては正直目から鱗というものは少なかったのですが、既知の要点をおさらいできたという面が個人的にはありました。
心理+ビジネスといえば鉄板と言われる名著「影響力の武器」がやはり紹介されていましたし、その中でも有名な「返報性の法則」の重要性は仕業の現場でも変わらないようです。
また、敵対関係から連帯関係に持ち込むポイントとして、「私」「あなた」ではなく「私たち」と表現することについてはピーター・ドラッカーも「経営者の条件」の冒頭、成果を上げる条件の一つとして取り上げています。
よくよく考えると弁護士という仕事は一般的な企業とは異なり、仕事相手が親密だったりフレンドリーだったりする場合よりも、被告と検察の間に入ったり、被害者と被疑者の仲立ちをするなど、かなり「ハード」な関係の上で対峙する機会が多いと思います。
ビジネス上の敵対関係よりも感情面でかなり特殊な現場を経験されている弁護士。その現場から得られる知見は貴重であるとともに、裏を返せばどのような場面でも有効に使える交渉や心理戦のテクニックがあると言えるのかもしれませんね。
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