週刊 ダイヤモンド 2012年 5月12号では「らくらく起業術」と題した特集で、金銭面でも人脈面、技術面などあらゆる観点から起業における敷居が低くなっていることを紹介し、そのためのサービスや事例を紹介しています。ネット環境を整備した共同オフィス形態「コワーキングスペース」はうちの事務所でもやってみようかと春先に考えていました(もっとも6月には引越しをする関係で立ち消えかなと)。直近で新しいキーワードは「グローバル・ソーシング」でしょうか。後述のコモディティ化に関連する注目ワードかもしれません。
「僕は君たちに~」は帯に「20代が生き残るための思考法!!」「本書は、これから社会に旅立つ、あるいは旅だったばかりの若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための、『ゲリラ戦』のすすめである」とあるように若者へ向けた書籍と銘打たれていますが、内容は若い方だけでなく企業でバリバリ働かれている方なら誰しも一読の価値ありと思える一冊です。
これら新しいキーワードとともに新しい働き方や考え方が出てくる中で、先の起業術の特集にもあったのがソーシャルメディアの重要性です。ソーシャルメディアをいかに活用するか否かで上で挙げた金銭面・人脈面・技術面など、起業や仕事におけるメリットの享受具合が大きく変わってくると予想されています。
個人的にこの中で心にとまったのは「クラウドファンディング」です。「動員の革命」の中では以下のように定義されています。
クラウドファンディングとは、プロジェクトを実現したり団体を立ち上げたりするためにネットを通じて一般大衆(crowd)から小口の資金を集めることをいいます。
クラウドファンディングはこれまでの投資型や寄付型とは異なる新しい形態で、資金を投資家(クラウドファンディングの場合は少額から可能なので一個人も投資家として該当)から集めてプロジェクトが成功した際の見返りを金銭ではなくモノやサービスで行うという「購入型」のスタイルを取ります。
アメリカではクラウドファンディングの代表例としてKickstarterが挙げられるようですが、日本ではCAMPFIREなどがメジャーのようです。
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)とは、アイデアを実現するために必要な創作費用を、そのアイデアに共感した家族・友人・知人そして多くの人々から少額からお金を募る事ができるクラウドファンディング型のプラットフォームです。(CAMPFIRE説明ページより)
私の姉は私の地元岡山でフリーのヨガ・ピラティスの講師をしているのですが、自分のスキルを活かしてその見返りに被災地支援をしたいから何かいい方法がないかと先日相談してきました。最初は有料メルマガやビデオ投稿など姉が自分で考えたアイデアを聞いていたのですが、コンセプト的にクラウドファンディングを使うことが望ましいと思ったのでCAMPFIREを薦めたところ「それいいわ~!」と唸っていました。クラウドファンディングは昨今の震災もあり、社会貢献や支援につながるコンセプトのプロジェクトが比較的受け入れられやすいそうです。
ちなみに「クラウドファンディング」よりも大きめの額を集めるものとして「ソーシャルレンディング」というカテゴリもあります。また電子マネーのように少額決済が行えるシステムを「マイクロペイメント」といい、徐々にインターネットで利用が可能になればソーシャルメディアを通じての小口献金や支援が行える仕組みが整ってきます。かつてのアメリカ大統領選挙でオバマが取ったソーシャルメディアによる小口献金を集める手法が日本でも現実に、身近になってくるかもしれませんね。
個人的にはソーシャルメディアに対して上ではかなりポジティブに良い面を挙げましたが、比較的冷静に見ているつもりです。ソーシャルメディアの全てを肯定しているというわけでもないですし、ネガティブな部分、気の進まない部分といったことも多々あります。その中でできるだけ俯瞰的にソーシャルメディアや周りの変化を捉えて、できるだけ良い面、強みとして使える面にフォーカスしてソーシャルメディアには関わっていきたいと思っています。
余談ですが6月下旬辺りにソーシャルメディアについての講演を行う予定でいます。公開で行うかは分かりませんが、参加者募集の際はお知らせしようと思いますのでよろしくお願いします。