中身はタイトルで表されているように、弁護士の著者が被告や検察、裁判所という現場で得た交渉テクニックのポイントを紹介しています。
大筋の流れとしては「心理戦を制する三つのステップ」を挙げ、それを順に紹介する形で構成されています。ステップはそれぞれ以下のようになります(1と3が同じですが内容はもちろん異なります。
)。
紹介されている各テクニックやポイントについては正直目から鱗というものは少なかったのですが、既知の要点をおさらいできたという面が個人的にはありました。
また、敵対関係から連帯関係に持ち込むポイントとして、「私」「あなた」ではなく「私たち」と表現することについてはピーター・ドラッカーも「経営者の条件
よくよく考えると弁護士という仕事は一般的な企業とは異なり、仕事相手が親密だったりフレンドリーだったりする場合よりも、被告と検察の間に入ったり、被害者と被疑者の仲立ちをするなど、かなり「ハード」な関係の上で対峙する機会が多いと思います。
ビジネス上の敵対関係よりも感情面でかなり特殊な現場を経験されている弁護士。その現場から得られる知見は貴重であるとともに、裏を返せばどのような場面でも有効に使える交渉や心理戦のテクニックがあると言えるのかもしれませんね。