レビュープラスさんからいただいた「フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年8月10日発売号」のレビューです。
このフォーリン・アフェアーズ・リポート、レビュープラスさんに登録してからちょこちょこ見かけてはいたのですが、今までレビューの機会に恵まれたことがありませんでした。おそらく毎回の募集人数が数人程度なので、他のレビュー本より圧倒的に募集人数が少ないということがあると思います。今回はご縁あってようやくお目にかかれた次第です。
が、これは自分にとって難読必死の一冊となりました。ページ数こそ100数ページなものの、各ページ2~3段にわたって文章がびっしり。しかも中身は外交専門誌として世界的な権威あるレポートよろしく、まさに各分野の専門的な言葉が飛び交う濃密な文章。ただ今回は特に興味を持った章があったのでそれを中心に読ませていただきました。
個人的に興味を持ったのは
の二つでした。
記事では、アメリカの大手新聞社やラジオ局のキーパーソンによる、これまでのマスメディアのあり方と今後変わりゆく展望について多く発せられています。大手マスメディアの中にいる方の意見や動きは興味深いです。
が、これまで関連の情報や書籍にはそこそこ目を通していることもあって、個人的には「おぉ!」と驚くような発見は正直ほとんどありませんでした。といっても全く参考にならなかったというわけではなく、各マスメディアがオンラインへの進出・活用に向けて変化しつつあるこの動きが、どこでもほぼ同じ方向に向かっているということの確認ができた意味で大きかったと思います。
それは一言でいえば「ソーシャルメディアへの順応」です。
これまで情報の発信から受け取り方まで全てを「情報の発信側」が行ってきたこれまでから、ユーザーがそれぞれ好きな方法で情報にアクセスできるようになり、ついにはユーザーから発信もできるようになった現在への変遷を理解することがまず必要。その上でどうユーザーに受け入れてもらい、ともに活発化させていくかということが話の根幹になっています。このソーシャルメディアについての言及は本誌だけにとどまらず、あらゆる書籍で散見されます。
繰り返しになりますが、オンライン・ジャーナリズムにおいて今後ソーシャル・メディアへの対応は必須と考えてよいと思います。もっとも、これはメディアにのみ言えることではなくほぼ全ての業種において言えることだと思いますが。
もうひとつのトピックは、主にキューバの医療についての現状と、アメリカのキューバに対する貿易制裁というこの二つの絡みについてという難解な話題についてです。こちらも中身の濃いレポートなので、日をおいてレビューしたいと思っています。