ノウハウ本、ハウツー本の類は最近めっきり読まないのですが、レビュープラスさんはそういう「今の自分なら読みそうにない」本を(良い意味で)お勧めしてくれるのでとてもありがたいです。また、頂く本も決して悪いわけではなく、単にタイトルが今の自分の好みと違うだけで・・・ってずいぶん言い訳な感じの出だしですいません。
前半は日本とアジアの情勢に関しての現状を紹介し「今のアジアはかつて成長期にいた頃の日本」であり、今アジアにリーチしておくことは「成長期の頃の日本にタイムスリップすること」と指摘します。現時点ではアフリカも注目株ですが、ASEANや中興メコンといった地域の有望性を著者は強調します。
その上で「アジア副業マニュアル」というタイトルの通り、アジア地域と日本における「価値の差」を認識した上で、小さいステップから徐々に規模を拡大していく商売の方法を具体的に示しています。著者はこれを「発電理論」と名付け、太陽光発電からゆくゆくは火力・原子力といった大規模発電に例えて紹介しています。
本書では上で述べた「価値の差」を活かすことが一つのポイントになります。地域が異なれば一方の地域で当たり前の商材でも、他の地域では数倍~数十倍の価格差が付くものは数多くあり、まずはこれを移動(例えば海外旅行)という行動に紐づけて行うことにより、「移動コスト」を「価値ある投資」に転換することを勧めています。
「価値の差」については本書と近い時期に発刊された「ITビジネスの原理
本書で取り上げる「価値の差」を捉えたものは「地域」でしたが、商売の基本として「価値の差」をあらゆる方向から考えることは重要です。「知識」が価値の差を生み出しチャンスへつながるケースもあるでしょうし(この場合はスクールなど)、「健康」が当てはまる場合も考えられます。
つまり本書で紹介されているマニュアルを一つのフレームワークと考えれば、様々な方向に応用できる可能性があります。本書ではアジアへの積極的な進出を勧めていることも大きなポイントですが、個人的にはフレームワークとしての事例をひとつ教えてもらったような気がします。