広がるOpenIDのメリット・デメリット
米Yahoo!がOpenID採用を発表、OpenIDアカウント数は一気に3倍に
米Yahoo!は17日、1つのIDで複数のWebサイトにログインするための分散フレームワーク「OpenID 2.0」をサポートすることを発表した。世界各地のYahoo!において、2億4,800万のアクティブユーザーに対してOpenIDを使用できるように する。このサービスは1月30日に公開ベータテストが開始される予定だ。
Yahoo!でOpenIDが利用できるようになると、OpenIDを採用しているすべてのWebサイトでYahoo!のユーザーIDを使って ログインすることが可能になる。各WebサイトのOpenIDログイン画面で「www.yahoo.com」あるいは「www.flickr.com」な どと入力し、Yahoo!ユーザーIDでログインするか、単にドロップダウンメニューからYahoo!を選択してログインするだけでよい。(Internet Watchより)
OpenIDについては以下の通りです。
OpenID(オープンアイディー)とはサイトを越えて使用できる認証システムと、そのシステムで利用できるID(identification)を指す。個人が登録した情報を公開することで個人の同一性を保証する。
複数のOpenID対応サイトを1つのOpenIDで利用できる。(Wikipediaより)
つまりは全く関係ないウェブサービスを利用する際に、いちいちIDとパスワードを取得して登録するのは面倒わけで、その手間を一回だけにして後はその一回で決めたIDとパスワードさえあればどこのサービスでもそれで使えるという便利なものです。個人的にこの便利さを感じたのは、Gmail(Googleのメールサービス)とYoutubeを使った時でした(この2つはどちらもGoogleが運営元なのでOpenIDではないですが) 。サービス元が同じなため、普段Gmailを使っていた自分がふと思い立ってYoutubeのユーザ登録をしようと思った際に、GmailのIDとパスワードがそのままYoutubeで使えたため登録の手間が省けたというものです。まだその恩恵にあずかっていないOpenIDの利便性を実感した瞬間でした。
日本ではいくつかのサービスがOpenIDに対応しています。
(2008年1月18日現在)
■OpenIDを発行しているサイト(日本語)
■OpenIDで利用可能なサイト(日本語)
- プロフサービス アバウトミー
- ソーシャルニュースサイトChoix
- ミニブログサイトHaru.fm
- はてなスター
- 読書管理サイトStack Stock Books
OpenIDはユーザの利便性を格段に向上させますし、サービス提供元にとってもユーザ登録という手間のかかる作業をユーザに負担させる必要がなくなるため、より自社のサービスを使ってもらいやすくなります。そのうち「あんまり興味ないサービスだけどOpenID対応で登録の手間かかんないからとりあえず使ってみるか」的なユーザも増えると思います。メリットだらけとも取れますが、あえてデメリットを考えるとすれば
- ユーザもサービス提供元も、情報漏えいにより気をつける必要がある。
- 会員制で利益を出しているサイトは、ユーザの囲い込みという戦略の効果が低下する?
というところでしょうか。OpenIDで登録したアカウントは、登録した全てのサービスで共通なため、ひとたびアカウントが外部に漏れてしまうと芋づる式に多くのサービス上で被害が広がってしまう危険性があります。この辺のリスクについては深く調べてないので実際のところどうなのか分かりませんが、ちょっと怖いかなと感じますね。また、OpenID対応になれば同じく対応している他の同業種のサービスに、ユーザが簡単に移ってしまうこともあるかもしれません。サービス提供元にとっては諸刃の剣的ではありますが、よりサービスの質を高めていく必要が出てくると思います。
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