免疫力をあなどるな!【読書レビュー】

免疫力をあなどるな!レビュープラスさんから「免疫力をあなどるな!」を頂いて読みました。

「免疫力」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、実際にどういうものなのかを説明できる人って意外に少ないんじゃないでしょうか。おそらくは漠然と「体に良いこと」という認識でいる場合が多いような気がします。自分を含めてですが。とはいえ大筋はこの認識で合ってはいるようで、本書では「健康を維持するための機能」といったようにもう少し詳しい言葉で説明してくれます。

医学的な分野は専門外という方でも本書を読めば、免疫力についての初歩的な知識を抑えることができると思います。

外科医からバイオテクノロジー分野へ転身し、がん免疫細胞治療の研究開発と実績を重ねる著者が、免疫力とその重要性についてとても分かりやすく紹介してくれています。免疫や細胞を軍隊に例えて説明されているのですが、免疫の違いや特性、有効性が発揮されるタイミングなどが、例えにマッチしてとても理解しやすいところが良いです。

本書で取り上げられている免疫力について、個人的に琴線に触れたキーワードは「中庸」です。

ハードワークによる免疫力の低下しかり、過度のストレスによる低下しかり。肉体的・精神的両方の側面から見ても、行き過ぎた生活習慣は免疫力の低下を招き、様々な体の不調につながると著者は指摘します。

また、過度の殺菌・抗菌も同様で、ある程度若い年代の時に菌に触れる体験をすること(例えば泥遊びとか)が細胞レベルでもメリットであるという指摘も、清潔と不潔における中間(中庸)であることの重要性を感じさせます。

同じく運動も過度な負荷で行うのではなく、汗をかく前には止めることを推奨しています。運動量の程度については中庸と感じるか不足と感じるかは主観によって異なると思いますが、ストレスを感じることによる弊害を指摘されているようにここでも中庸を思わせる記述が見られます。

上で紹介したような例を始めとして、免疫力を維持・向上させるための方法が色々紹介されています。各項が短いセンテンスで区切られているので読みやすいですし、実行するのに敷居の高いものはないと思います。何より「免疫力は高めようと思えば簡単に上げられる」というコメントには勇気づけられます。

実際のところ健康な状態でいる時に健康のありがたみを感じることはなかなか難しいわけですが、本書のようなトピックの本をたまに手にとって読んでは、改めて当たり前の状態に感謝の念を感じずにはいられませんね。まずは納豆キムチから実行したいと思います。

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