お金の流れが変わった! -新興国が動かす世界経済の新ルール-

お金の流れが変わった! (PHP新書)レビュープラスさんから送っていただいた「お金の流れが変わった! -新興国が動かす世界経済の新ルール-」を読みました。

タイトルからも分かるようにお金や経済といったことが主軸のテーマです。個人的にこのジャンルの話は苦手意識があったのですが、読後の感想としては「読んでおいて良かった」です。本書の著者は大前研一さん。書店や雑誌ではよくその名を目にするものの、これまで読んだ本といえば訳書「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」くらいでしたが、本書を読んだ後には他の著書も読んでみたいと感じました。

文章は非常に平易で、リーマンショックのくだりは仕組みが複雑なこともあり難解でしたが、全体的に分かりやすい構成と文章で苦手ジャンルでも読みやすかったです。

上でも述べたようにお金や経済の変化がテーマで、アメリカや中国、EUなどの現状に則した問題点を挙げつつ、企業戦略のメインターゲットとして新興国への施策が必要であることを紹介しています。各国の情勢についても具体的な情報があり、興味をそそられます。

本書のキーワードは「ホームレス・マネー」です。

これからの世界経済を考えるうえで、絶対に無視できない存在がある。すでに全勝で何度か書いた「ホームレス・マネー」がそれだ。(中略)ホームレス・マネーとは、投資先を探して世界をさまよっている、不要不急で無責任きわまりないお金のことだ。(本書P54)

ホームレス・マネーがいかに大きな力を持ち、これをうまく利用することが今後の経済成長に欠かせない、そしてそのためには国レベルでの戦略が必要であると説いています。しかし日本の現状はそれとは全く逆の政策が取られており、このことについて著者は現政権の民主党を激しく非難しています。

とはいえただ非難するだけでなく、税金を使わない政策案やシャッター街を活性化する案など、筆者独自の意見も後半で多く述べられています。

正直お金や経済の話は詳しくないこともあり、本書に書いてあることがすべてその通りなのか、その通りにするべきなのか自分には分かりかねています。しかしせっかく興味を持つことができたので、この系統のお話については色々な方から意見を伺って見識を広げたいと思っています。

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