この国を出よ

この国を出よ大前研一さんとユニクロの柳井さんの対談をまとめた体裁の本書「この国を出よ」。以前読んだ大前さんの「お金の流れが変わった!」とも重なる部分があり、復習も意味もあってとても勉強になりました。

端的に本書の内容を言い表すと「日本はマジでやばいことにみんな気付いて、官民そろってターゲットを世界に見据えて行動しなさい」という感じでしょうか。

「お金の流れが変わった!」でも指摘されていた、日本経済と政治の大問題については本書でも大きく取り上げられており、かたや世界各国のグローバル戦略と内政の好事例をそれに対比させる形で取り上げられています。

日本の政治については、借金がある状態にも関わらず収入を超える額の借金(国債)を大量に発行し、景気刺激対策としてお金をばらまく政策は無駄であるということを、過去の数値とも照らし合わせて指摘しています。

確かに一般家庭で置き換えれば明らかに破産目前の国家財政であることは素人でも分かりそうなものですが、自分たちの税金が何にどう使われているのかについて意識が薄い国民にも非があるという意見は同意できます。

本書では政治だけでなく、企業や個人に至るまで多くの問題点を指摘し、奮起を促されています。「この国を出よ」との言葉も、多くの問題や難点を抱える日本よりも、今世界のお金が回りつつある新興国や躍進めざましい先進国の方がビジネスチャンスも市場もけた外れに大きいのだから、世界の市場に打って出よ、そのための準備と目的意識を持てとのメッセージだと感じました。

本書の中で個人的にとても琴線に触れた柳井さんのフレーズがありました。

「稼ぐ」というのは、人の役に立つモノやサービスを作って、その代わりにお金をいただき、そして納税をするという「社会貢献」をすることなのです。

企業組織としての活動は社会貢献のためであるということはドラッカーからも学んでいたつもりだったので当然いつも頭の中にあるのですが、そのためや生活のために利益を出すことももちろん必要です。

ただその利益についての認識が自分の中でうまく消化できない部分もありました。ドラッカーは利益を目的ではなく条件であると言われていましたが、自己の利益と顧客の利益についての意識が自分の中で微妙に揺れ動いていたというか、「自分がお金を稼ぐことが本当にクライアントのためになるのか」というような、うまく言えないのですが利益を出すことに対する葛藤を持っていました。

柳井さんの言われた「稼ぐ」の定義でなんとなく「稼ぐこと、利益を出すことは社会貢献につながる」ことが意識できそうで少し安心できた気がします。

「お金の流れが変わった!」もそうですが、世界経済など今まで自分が触れてこなかったジャンルの話題に触れたことで色々と考えが広がったような気がします。今年はこれらの蓄積を元に何か一つでも行動できればと画策しています。

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