ヨコ書き 学問のすすめ【読書レビュー】
安藤です。今回のレビューは有名な「学問のすゝめ」…
をわかりやすく現代語に訳した本です。そして横書きです。
参考までに本書とオリジナルを比較しますと、
- オリジナル
-
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、…
- 本書
-
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」!人は、生まれたときはみんな平等だ。…
圧倒的に本書が読みやすいと思います。ただ、語尾が「~なんだ」、「~だと思う?」とかなりフランクなので個人的にはもっと硬い表現をして欲しかったです。(本当にこの訳であってるのかと不安にもなるので)
本書を読もうとしたきっかけは、ある方に上記の有名なくだりの意味を教わったからでした。
要約すると「人は生まれたときからみな平等だ。だか世の中には優れた人もいれば出来の悪い人もいる。富める人もいれば貧しい人もいる。この差は学ぶか学ばないかだけなのだ。だから学べ!」ということなのですが、この言葉、学生時代の自分に聞かせてあげたいと思いつつ読み進めました。
一身独立して一国独立す
江戸時代は、幕府にとって民衆は愚かで何もわからないので上から支配すべき存在であるとされていましたが、明治維新後、四民平等となった世の中では国民一人ひとりが政治の主役となりました。愚民の上に暴政あり(オリジナルは愚民の上に苛き政府あり)
とあるように、政治のレベルは国民のレベルを表します。国民が賢くて良い人なら政府もそれにあわせて優しい政治を行うが、愚かで悪人ばかりだと厳しい政治をする必要があります。そうならないために、学問に励み、行いを正し、自分にできることをしようと書かれています。このように、個人の自立のためというのはもちろんなのですが、それを通じて日本をよりよくしようとして書かれていることが伝わってきました。
学びという点ではずれますが、「恨み・妬み」がいかに有害かについても書かれています。「恨み・妬み」を抱くものは自信の向上を忘れ、他人を陥れ自分と同程度のところまで引きずり下ろそうとすると。これは現代でもとてもよく見られる光景だと思います。 そのような人ばかりになってしまうととてもつまらない社会になってしまうので、みんなが学び成長し、福沢が願った社会になるためにも学ぼうと思うのでした。
オリジナルの学問のすすめは青空文庫で読めます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/47061_29420.html
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