「学校を変えよう! 公立小学校に通う子どもの親の心配Q&A50」

学校を変えよう!  公立小学校に通う子どもの親の心配Q&A50本が好き!さんよりいただいた一冊「学校を変えよう! 公立小学校に通う子どもの親の心配Q&A50」を読みました。

著者の加持健氏は長く教育の現場に身を置かれた方で、閉鎖的な学校という現場に新風をと様々な取り組みで学校改革を行ったそうで、現場での長い経験を元に学校にまつわるあらゆる疑問についてQ&A方式で紹介されています。

前半は尾木直樹氏や武田邦彦氏といった、教育の分野で著名な二人との対談形式によって、現在の学校の問題点や、過去に遡った指摘など多数あります。他にも世界の教育事情についても触れられ、世界と日本の教育の違いはなかなか面白いと感じました。

WIRED VOL.5 GQ JAPAN.2012年10月号増刊奇しくも本書を読み始めたのと同時期に発売された「WIRED VOL.5 GQ JAPAN.2012年10月号増刊」では「未来の学校」と題して、世界の現在の教育について紹介がされています。テレビでもやっていましたが、徐々に紙の教科書が減ってきているのは事実で、代わりにPCやタブレットPCといった新しいデバイスが、動画や写真などを取り扱える機能の優位性を持って普及していることには、いつかそういう時代も来るだろうと思っていたものの、現実に現場に導入されているのを目の当たりにするとやはり驚かされます。

本書後半のQ&A50問は、学校でのいじめや耐震性など旬な話題だけでなく、そもそもPTAとは何か、教育委員会とは何かといった、学校に関する話題が広く取り上げられていてとても面白かったです。意外に何も分かっていなかった箇所もあり、身近な存在でありながら意外と知識として把握していないことが学校にはあるということ、所々の問題に対しては一見して理不尽と感じるようなものについても、感情的にならず冷静に周りを見て行動することの大切さが書かれていました。

と同時にやはり学校という場所は通常の社会に比べて閉鎖的な場合もあり、それらは校長など人によって学校のあり方、考え方も左右されるという面がありそうです。

また学校特有の問題については内部だけでなく、保護者など外部の理解も必要だと感じさせられます。授業中の立ち歩きなどについては個人的には昔を振り返っても考えられないようなことなのですが、ADや発達障害、ADHD(注意欠陥多動性障害)など最近理解がされつつあるこれらの障がいについて把握しておかなければ、単純に「理解できない」の一言で終わらせてしまう場合もあるかと思います。そういった誤解を自分の知識不足が原因でしてしまわないように考えていきたいです。

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