『チームの「やる気スイッチ」を入れる5つの方法』【読書レビュー】

チームの「やる気スイッチ」を入れる5つの方法  自ら動き出す自立型スタッフの育て方 (角川フォレスタ)レビュープラスさんから『チームの「やる気スイッチ」を入れる5つの方法』を頂いて読みました。


サブタイトルまで含めると『チームの「やる気スイッチ」を入れる5つの方法 自ら動き出す自立型スタッフの育て方』とあるように、チームマネジメントについての書籍です。

チームマネジメントというとざっくりですが、特徴としては組織に属するメンバー(スタッフ)に対して、それぞれの段階(心理的・金銭的・職能的状況等)ごとに適した問題の洗い出しとその解決に向けた手法を、著者が提示する各段階ごとのフレームワークに当てはめて改善を図るという内容です。

段階は大きく以下の4つのステージに分類され、それぞれどのステージに当てはまるかのチェックリストも付記されているので、マネジメント側としては関係するスタッフがどのステージに当てはまるのか分かりやすくなっています。

  • 第1ステージ:無責任な”デモ隊ステージ”
  • 第2ステージ:愚痴仲間が多い”愚痴集団ステージ”
  • 第3ステージ:会社に必要な”忠犬ハチ公ステージ”
  • 第4ステージ:プロ意識にあふれた”大将ステージ”

フレームワークは本書の場合「質問」形式になっており、4ステージでトータル86の質問が用意されています。いずれの質問も端的な文章なので答えやすそうに思えます。

フリーランスにとって使えるノウハウか否か

上で本書の大筋を紹介したように、読者となる対象は組織に所属する方や、マネジメント層の方が多いのではと思います。ではフリーランスという組織に属さない形で仕事をしている自分にとって、本書の内容は役に立つ部分があるかどうかというところが気になるわけですが、個人的には大いに参考にできる部分があると感じました。

まず、フリーランスとはいえ全く一人で仕事をしているわけではなく、外部のブレーンと連携をして仕事をすることもあります。基本的にブレーンには恵まれていると思っていますが、そうした外部の人材とやり取りをする上で、本書のフレームワークに当てはめて状況を俯瞰するという方法は有効かもしれません。

また、フレームワークを自分自身に当てはめて使うという活用法も考えられます。チェックリストを見ながら今の自分が(組織にいた場合)どのステージにいるのかを確認することで、今抱える悩みや問題点について、ステージに合ったフレームワークを使って思考や状況を整理するということができるかもしれません。

さらに見方を変えるならば、フリーランスとはいえクライアントと仕事を共有しているということは、擬似的には「クライアントの組織に自分が所属してプロジェクト形式で仕事をしている」とも言えるわけです。だとした場合、(クライアントをマネジメント側と見るか、自分をマネジメント側と見るかにもよりますが)クライアントとの仕事を円滑に行う上で、ひいてはその中の活動において自分を省みる術のひとつとしても活用できる可能性があります。ことフリーランスは内部的な組織のメンバー間によるフィードバックが得られにくい環境なので、メタ認知による自己フィードバックは大切だと考えています。

本書に提示されているステージの設定とフレームワークは、認識の仕方によって様々なシーンに応用が効くかもしれませんね。

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