日経ビジネス 2010.9.20

nikkeiBP0920

市前です。タイトルの雑誌のレビューです。

日経ビジネス 2010.9.20 p.22-37
特集 外食日本一 ゼンショー 280円で仕掛ける“メガ盛り生産性革命”

 牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーが、外食産業の首位逆転で新たな歴史を刻もうとしています。
同社は、この10年間でココスジャパン、ビッグボーイジャパンなど、17社に及ぶ積極的なM&A(合併・買収)を繰り返し、売上高を20倍に伸ばしてきました。2010年度の連結売上高では、ゼンショーは日本マクドナルドホールディングスを抜く勢いです。

 本書では、ゼンショーの躍進に比して、ほとんど光が当たっていなかった経営実態について特集されています。
 飛ぶ鳥落とす勢いなので、いろいろなことが桁外れなのだろうと想像がつきますが、「ゼンショー憲章」の内容は、私の想像をはるかに超えていました。例えば、企業理念とともに立ち居振る舞いも事細かに定められていて、「歩く時は1秒に2歩以上」という記述があります。ほかに「商談は30分」や接待を禁止していることなどからも、徹底的にコスト削減に取り組んでいる様子がわかります。

 もう一つ驚いたのは、東京・品川の本社で行われる朝礼です。本部に勤務する社員100人強はさながら軍隊で、間髪入れずに各部門の責任者が声を張り上げ業務報告をしたあと、「ロールプレイング」が行われます。その場で選ばれた2人が厳しい目にさらされながら「すき家」店内での動きを再現し、それに対して先輩社員から「キッチンの動きですが、重心を今より5cm低くすることによって、左回転がスムーズに動きます。それを気を付けてください」と檄が飛ぶといった具合です。

 ゼンショーグループのwebサイトを拝見すると、独自のチェック機構により食品の安全を検証していて、お米や野菜の栽培管理を始め、いくつかの取り組みが紹介されています。食の安全に関心が高まる中で材料コストの削減には限界があり、280円の牛丼を実現させるためには、突き詰めると先に挙げたような細かな指示がマニュアル化されるのかと思います。

 店舗で働くスタッフが個性を出せるのは笑顔だけ。求められるのはロボットのような、無駄のない正確さと生産性の高さです。もしも私が「すき家」に勤めているとして、そのような職場でストレスがないのか、とても疑問を持ちました。ファストフードはたまに利用しますし、決して否定的なわけではないですが、同じお金を払うならスタッフがのびのびと楽しそうに働いているお店で食べたい、と思うのです。

 しかし現に、ゼンショーは外食産業で日本一になろうとしています。世の中が、ゼンショーに象徴されるような、徹底的に無駄を省いたファストフードを求めているということでしょうか。

 一見無駄と思われることの中に大切なことが含まれているように思います。飲食業に携わったことがある身として、また利用する側として、いろいろ考えさせられる特集記事でした。

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