「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 」
野球部のマネージャーをすることになった女子高生が「マネージャー」の意味を調べ、本屋でピーター・F・ドラッカー著「マネジメント」と出会います。弱くもなく強くもない野球部を甲子園に連れていくために、「マネジメント」を取り入れるという物語です。
具体的には、野球部とは何かを定義し、目的を決め、部員や監督にマーケティングをし、練習メニューを作り直すなどです。野球部を組織化していく過程で、監督とマネージャー二人が「マネジメント」の読み込みを行います。このように、方向性を決める3人が共通認識を持つことは、とても重要だと感じました。
それから要所、要所で「マネジメント」の引用があります。
―自らの事業は何かを知ることほど、簡単でわかりきったことはないと思われるかもしれない。(中略)しかし実際には「われわれの事業は何か」との問いは、ほとんどの場合、答えることが難しい問題である。わかりきった答えが正しいことはほとんどない。―
上記のように、「マネジメント」に書かれていることはとてもシンプルですが、奥が深いため咀嚼に時間がかかります。本書は野球部という切り口が新鮮で、組織経営についてストーリー仕立てになっているので、私は楽しく読み進めることができました。経営について興味がない方にも、薦めたい1冊です。
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