「伝える力」 池上彰著
著者の池上彰さんは、NHKで11年間「週間こどもニュース」でお父さん役を務めました。「中学生にもわかる原稿」を書くために、著者が実践している方法が紹介されています。
コミュニケーション能力がビジネスパーソンにも求められている今、「話す」「書く」「聞く」3つの能力が仕事を変える、と説いています。
その中でも最も大事なことは「聞く耳を持つ」ことです。そして、他者の意見に「謙虚である」ことです。
伝えるために「聞く」は意外なことのように思えますが、正しい知識を入れなければ正しくアウトプットできないので、先入観なく謙虚に耳を傾けることはとても大切なことなのだと思います。
文章力をアップするために、例えば
- 「もう一人の自分」を育てる
- プリントアウトして読み返す
- 寝かせてから見直す
- 音読する
などが挙げられています。
著者は、本を出すために書いた原稿を声を出して読み返すことがあるそうです。黙読で読み返しているときには気づかなかった、文章のリズムの悪さに気づきます。文脈が通っていても回りくどい文章、長い文章に気づかされるそうです。本書がとても読みやすいのは、そういう苦労があってのことかと、とても納得しました。
ほかに「この言葉・表現は使わない」として
- 「そして」「それから」
- 順接の「が」
- 「ところで」「さて」
- 「いずれにしても」
- メールの絵文字
接続詞については、時系列を整理することですっきりします。どれも、なるほどと目から鱗です。
最初から最後までとても読みやすく、説得力のある本でした。言葉を削って伝えたいことをシンプルにすることは、プレゼンなどにも非常に有効だと思います。
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