全てのCMSが便利とは限らない(事例付)

 ウェブサイト(HP)の管理は自社ですか委託ですか?

サイトを開設した後に待っているのはサイトの管理・運用です。これについては自社で行う場合もあればサイト制作会社に作業を委託する場合もあると思います。最近ではホームページの制作経験が無いクライアントでも容易にサイトの管理ができるようなシステム、いわゆるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を導入するケースも増えてきたようです。

私のクライアント様の中にもCMSを導入して運用コストを抑えるケースが増えてきました。当方ではMovable Type(MT)をベースとした、ブログを更新する感覚でサイトを管理できるCMSをお勧めすることが多いです。よく言うビジネスブログというものです。MTをベースとするメリットは多々あるのですが、一からCMSのシステムを構築するよりは比較的低価格で導入することができるのが理由の一つです。

メリットだらけのCMSと思われがちですが、ここであえてCMSのデメリットを上げてみたいと思います。
というのも、CMSは決して万能ではないということも事実だからです。
「CMS入れれば誰でも簡単にホームページ管理できる」というのは、全てのケースには当てはまるわけではありません。
以下に実際にありそうな(どこかであったかもしれない)事例を挙げてみます。

■実際にありそうなケース■
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あなたの会社でホームページを開設した後、管理や更新作業は自社ですることになりました。ホームページの管理役はあなたに決まりましたが、あなたはホームページを作ったこともなければインターネットに詳しいわけでもありません。さて困った。

その時ふと知り合いのホームページ制作会社のことを思い出し、ホームページの管理について相談しました。知り合いは「あなたでも簡単にホームページを更新できるシステム(CMS)を導入すればいいよ。うちの会社で作ったCMSがちょうどあるからそれを使ってみないか?」と勧めてきました。

あなたの会社での業務はホームページ管理だけではなく、むしろホームページの管理は片手間くらいの比重なのでホームページについての勉強をしている時間はありません。時間とコストを考慮した結果、CMSの導入を決めました。CMSの導入費用は特別予算として計上し捻出しました。

数週間後、CMSがついに導入されました。これで管理も更新も簡単にできる!

…のはずが、まずCMS自体の使い方が分かりません。
どこをクリックすればトップページのお知らせを更新できるのか。
どこをクリックすれば会社概要ページの沿革を更新できるのか。
どこをクリックすれば間違ってアップした社内イベントの写真画像を削除できるのか。

CMS自体の使い方が分からないとは本末転倒な話ですが、あなたにとっては笑うに笑えない状況です。すぐ知り合いの制作会社に連絡して、操作方法を教えてもらうようお願いしました。
しかし制作会社は少人数で業務多忙のため、人を送ってCMSの使い方をレクチャーする余裕がありません。
とりあえずCMSの使用方法が書かれたマニュアルをインターネットにアップしておいたので、それを見ながらやってみてくださいとの返事でした。

これじゃあ、ホームページを勉強しながら更新するのとあまり変わらないんじゃないだろうか。。。
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上記のようなケースは「ありそうな話」として書いたものの、私の周辺で実際にあった話と酷似しています。CMS自体の使い方が分からなくて結局ホームページ更新ツールとしての意味を成さないというのは厳しいものがあります。例えば担当者がホームページを作ったことが無くても、ブログを使ったことがあるという場合なら動作の応用が利く場合があります(私のクライアント様にはこれに当てはまる方が多いです)。

しかし全くその辺の感覚を経験したことが無い担当者の方にとっては、ホームページも未知のものですがCMSもまた未知なものです。CMSの導入には担当者のレベルに合わせたものを提案する必要があると思いますし、担当者もそれをきちんと業者に伝えることが重要です。

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