プロフェッショナルを演じる仕事術【読書レビュー】
レビュープラスさんから頂いた「プロフェッショナルを演じる仕事術」のレビューです。
最近は食傷気味だったビジネス系(と言いながらも少なからず目を通しているんですが)の内容ですが、読めばやはり発見はあるもので、気づけば付箋代わりのページの角折りが結構たくさんでした。
タイトルからも分かるように、本書の肝は「演じる」に関わる周辺のキーワードが中心となって始まります。「模倣する」「役になりきる」「同じ格好をする」「イメージする」等のことから「共有される」「感化される」「影響される」など、本来自らに備わっていないものでも、体験したことがないものでも、あるテーマを元に真似てみたり同じような行動をしてみたりイメージすることによって具象化するということがあるということが、様々な事例と専門用語で紹介されていきます。
個人的には各所で紹介される専門用語のキーワードに興味を惹かれる部分が意外に多かったです。マーケティングのフレームワークキーワードなどはそれなりに慣れて知っているものがありますが、「ピーターの法則」「ピグマリオン効果」「同調圧力」「パラダイムモード」「ナラティブモード」等々。「ゲーミフィケーション」については他誌で見かけたキーワードでもあり、そういうこともあって主題とともに個別のキーワードにもチェックを入れる箇所が多く、本編の文脈と合わせて読みつつ、キーワードだけにフォーカスしてみるなどしても面白く勉強になりました。
フレームワークの有用性とデメリットについては既知の内容もありましたが、知っている内容も含めて改めて読むとそれはそれで理解が進むというか、自分の知識と理解が間違っていなかったことや、補足の知識を取り入れることができ、これもまた有益な内容でした。
後半では「負けること」の重要性が取り上げられています。これは謙虚さや柔軟性、受け入れることの大切さなど、年齢を重ねるに連れて難しくなってくる点について、様々な書籍からの引用とともに話が進みます。個人的には後半のこの辺りについてが自分にとって今回はもっとも有益だったという感じがしています。これもフレームワークの部分と同様、自分ですでに理解しているもの(理解していると思っているもの)も含め、新しい情報と共に復習と知識の吸収をすることができたという点で、全くの新鮮さに満ちていたわけではないがとても有益な内容だったと感じています。そういう意味では役に立つセンテンスをまとめた「辞書」的なというか、特に後半については適当にページを開いてみれば目の引くキーワードが載っている感で読めるという感じもして好きです。
本書でたびたび登場していた書籍「赤めだか(立川談志)」は前から気になっていたのですが、本書を読んでようやく買う気が固まり早速注文しました(早速半分くらい読みましたが噂に違わず良書の予感です)。
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