MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み【読書レビュー】

MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み (PHPビジネス新書)
レビュープラスさんから頂いた書籍「MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み」を読みました。


タイトルにもある「チームが勝手に結果を出す仕組み」という点において本書では「マネジメントコントロール」の重要性と、これに係る3つの要素

  • 行動コントロール
  • 結果コントロール
  • 環境コントロール

以上3点を体系立てて紹介するという構成です。個人的には組織内部へのマーケティングという風に感じました。理由としてマネジメントの大家であるピーター・ドラッカー云うところのマーケティングにおける定義に以下の一文が知られています。

マーケティングの理想は販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。

この「おのずから」という部分と、本書タイトルにある「勝手に」という部分は同義と思いますが、チームという組織内部におけることとして考えると、いかにチームメンバーそれぞれの自発的動機によって成果に向かい貢献してもらうかということになると思います。マネジメントコントロールにおけるポイントの一つは、「自発的」という点についてのみ焦点を当ててしまうのではなく、広い視点で広いケースに応用が効く点にあると思います。

チームのメンバーや従業員に対して自分の頭で考え自分で判断するといった自発的な行動を期待することにおいては、もちろんいきなりそれができるに越したことはないのですがそうとばかりは限りません。故にまずは行動に焦点を当てた行動コントロールの観点からチームをマネジメントすることで、最初は一定のフレームワークに当てはめるような形で習慣を作り、それから次のステップへとシフトするといった点はなるほどと感じられます。

こと本内容で特に重要視されているのがマネージャーの存在です。マネジメントコントロールをうまく機能させるためにトップと現場の中間に立つマネージャーが本書で紹介されている手法を適切に行うことがポイントになるわけで、その意味では中間管理職クラスの方にとって最も参考になる内容だと思います。

一般的な企業での例も豊富に紹介されていて、本書を通じて基本的には上の3点をベースに一貫した流れがあるので分かりやすいです。また、チームというと社内やグループ内での利活用が思い浮かびますが、私のようにフリーで仕事をしている人にとっても、仕事によっては仕事仲間やクライアントとプロジェクトを組んで短期間のチームを組むということはザラにあります。仕事だけでなくボランティアやクラブ活動でも本書のノウハウが使える場面は多々あると思いますし、現状関わっているチームについて本書のフレームワークを当てはめてみると、色々な解決策が浮かぶかもしれません。

余談ですが、上の引用でも紹介したピーター・ドラッカーの「マネジメント」がNHKの「100分de名著」で取り上げられていたのを思い出しました。実は番組自体はあまり見たことがないのですが番組の書籍はちょこちょこ買ってまして、お気に入りはV・E・フランクルの「夜と霧」です。この中で紹介されている言葉は個人的に最も心の拠り所としているものもあります。名著と呼ばれるものの中にはビジネスに直結して役立つノウハウ本ばかりではないですが、とても有意義なものが多いと思い、時間を見つけて読むようにしています。

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