「視覚・聴覚障害のある方にiPadを教える人財育成講座」第12期第7回
つがる市で開講中の「視覚・聴覚障害のある方にiPadを教える人財育成講座」第12期は、終盤の第7回が昨日終わりました。
前回は受講者さん同士で全盲の方を想定した講習の練習をしました。今回は初めて全盲の方をお招きして講習する回でした。
実習のモデルになってくださった全盲の方はお二人で、お一人は以前もモデルをお願いしたことがあり、もう一方は初めてモデルさんになっていただきました。
後者の方は携帯もパソコンも、もちろんスマホやタブレットも使ったことがないという方でしたので、実習のモデルさんとしてはとても理想的。
一方、教える側としてはよく言えばいい経験になる、違う言い方をすれば教えるのが難しいという形になりました。
携帯もパソコンも使ったことがないという場合は、iPadの画面に表示されている状態がどういったものなのかが想像もつきません。そうした「ゼロ」の状態をイメージしながら説明する必要があります。
当然ホーム画面やアプリを開いた画面の区別もわからなければ、画面の押し方ひとつととっても全く分からない状態なので、そうした細かいところも気にしながら一つ一つ進めていくのが大切でもあり難しいところでもあります。
そういうところに気づけると、画面の状態を逐一説明してあげる必要があるのが分かってきます。
受講生さんの中には、そうしたことに気をつけながら説明できている方もいて、初めてなのにすごいと感心していました。
実習ではモデルさんが住んでいる地域の広報誌を調べたり、避難場所の情報を調べたりなど、モデルさんの要望に合わせた操作方法を説明する場面もありました。
相手の要望を聞いてそれを解決するための方法はいろいろあると思いますが、例えば調べ物の場合は、インターネットで検索するか、アプリを使って検索するかで難易度や調べられる速さが変わってきます。
また、同じ情報を調べるのでも、iPhoneのネット検索と、iPadのネット検索とでは表示されるホームページの画面が違う場合があり、iPhone (スマホ)用のページの方が容易に検索できる場合もあったりします。
昨日はSiriを使った音声入力機能をうまく活用して、画面の操作がおぼつかなくても、音声でいろいろな調べ物をすることができていた場面もありました。
一方で、音声入力は言葉の変換が機械任せなので、固有名詞などはどうしても思ったような言葉が表示されない場合がよくあります。
こうした、より高度で正確な検索をしたい場合にはやはり文字入力の方法覚えるなど、ステップアップが必要です。
実習が終わってモデルさんを車でお送りしているときに、モデルさんのお一人が「タッチ」と言われると、指でぐっと抑えるようなイメージがするので、「触れる」と言ってもらった方が良い時もあったとおっしゃっていました。
ちょっとした言葉の違いでも、人によって言葉の受け止め方が違う場合もあり、相手に合わせてそうした言葉尻のひとつひとつも気を配ってみる必要があるなーと勉強になりました。
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