iPadに表示されたiPhoneの操作の様子

視覚障害のある方にオンラインでiPhoneの講習をしました

2020年4月25日、視覚障害のある方にオンラインでiPhoneの講習をしました。

これまで視覚障害のある方に講習をする時はいつも直接対面で説明してきましたが、新型コロナウイルスの影響や、以前から自分の中でも関心があったこともあり、初めてビデオ通話アプリを使用して、対面せずオンラインでの説明を試してみました。

相談者さんは弱視で、画面はかすかに見える程度。以前から講習の機会があれば連絡がほしいと相談いただいていて、今回オンラインでの講習を持ちかけてみました。

使用したアプリはSkype。世間ではZoomが話題ですが、セキュリティ面の不安もあり、老舗アプリを使うことにしました。

通常のビデオ通話であれば、スマートフォンかタブレットかPCのいずれか1台あれば良いのですが、今回は相談者の方がiPhoneを操作する様子を見せて貰う必要があるため、ビデオ通話用と操作用の端末の2台が必要。

そのためビデオ通話用には、相談者さんの息子さんが使っているAndroidのスマートフォンを使い、相談者の方が使っているiPhone8の操作の様子を画面に写してもらいながら進めました。

操作の様子がわかりやすいよう、ビデオ通話用アプリのカメラに相談者さんのiPhoneの画面と手を写し込んでもらうようにするのが、最初はひと苦労。

でも少しずつ慣れてきて、操作しているうちにズレてきても「もう少し左。もう少し縦に起こす感じでお願いします」と微調整をしてもらいながら、操作の様子を見せてもらいました。

今回はテストということで時間は60分。物体認識アプリで話題のSeeing AIについて、導入のスキップから文字のリアルタイム読み上げを行いました。

用意してもらった紙の書類にカメラをかざすと、紙に書いてある文字が音声でどんどん読み上げられ「これはすごいですね!」と驚かれていました。

Seeing AIには他にも色々な読み上げ機能を切り替えて使用できるので、その切り替え方などを紹介しました。

視覚障害のある方に初めてオンライン講習をしてみた感想は「意外にいけるかも」です。

上で書いたようにビデオ通話用と操作用の端末2台を用意してもらう必要がありますが、今回のようにご家族の端末を拝借する方法もありますし、おおよそ画面が見えて操作音が聞こえれば、いつもの対面で観察しているものと大差はないという印象です。

また今回幸運だったのは、相談者さんがすでにVoiceOverの基本的な操作をある程度確実に行えていたことです。そのお陰で省略できる説明が多く、そのぶんアプリの使用方法など重要なポイントに絞って説明を進めることができました。

他にも気づいた点などはありますが、改めて整理したのち、Education Tomorrowさんでの連載やこのブログで要点をまとめられたらと思っています。

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