【レビュー】ニューズウィーク日本版 2009/07/15号
レビューするための書籍情報を提供してくれる「レビュープラス」というサイトに登録してみました。第1弾はニューズウィーク日本版2009年 7/15号 です。
ちょこちょことビジネス雑誌は読むんですが、ニューズウィークはほぼ初めて読みました。政治経済や社会情勢といった話題が豊富で、いつも読むジャンルと違うこともありまだ慣れない感じです。記事も多いのでどれをレビューしようか迷ったんですが、メイン記事の感想を。
トンデモ科学が地球を救う?
表紙にも大きく出ていた見出しですが、読んでみると確かに「トンデモ」な感じ。しかし実はかなり正論性もありひょっとしたら化けるぜ、いや化かさなきゃ地球やばいよという内容。
91年6月にフィリピンのピナトゥボ山という火山が大噴火した際に、吹き上げられ成層圏に達した火山灰が太陽光を遮りました。その際に地球全体の温度が1年に渡って0.5度下がったそうです。この100年の間に1度上げられた地球の気温が、たった一度の噴火で(1年という短期間ではあるものの)半分にまで下げられたという事実が、温暖化対策という問題に一つ選択肢を増やしたと言えるのかもしれません。この「ピナトゥボ効果」を応用する研究が進められ、人工的に気候を操作する気候工学がにわかに注目を浴びるようになりました。
それまで「トンデモ」な分野と考えられてきた気候工学は、遅々として進まない各国のCO2削減問題や多様化する温暖化の現状に比例するように真剣に検討されることが増えてきたそうです。
気候工学の面からみる温暖化対策への具体的な方法は2つで、大気中のCO2を回収することと、太陽エネルギーを反射して気温を下げることだそうです。
前者はわりとまともな案だそうですが、他の解決案よりコストがめちゃめちゃ高い割に急激な気温上昇を緩和できる可能性も少ないそうです。
後者も誌面曰く「地球が破産するほどのコストがかかる」そうでほぼ却下。 しかし大気中に反射性の物質を散布することで、ピナトゥボ効果と同様の事象を発生させる研究も一部で進んでいるそうです。コストもやり方によってはかなり安価。ピナトゥボ山噴火の際に大気中に舞った二酸化硫黄(SO2)はオゾン層を破壊するという欠点が指摘されているため、SO2に代わる粒子の設計が進められているそうです。
ちなみに「太陽エネルギーを反射して気温を下げる」案は、宇宙空間に巨大な鏡を設置して太陽光線を地球から遮るというものだそうですが、確かに地球が破産するかもですね(笑)でも非現実的とはいえそういう案が出てきたこと自体は面白くてアリだなと思います。CO2を回収する案については地中に貯蓄するという方法らしく、ひょっとしたら結構な量のCO2を地中の物質が吸収できるのではないかという考えもあるそうです。色んなアイデアがあるものですね。
この話を読んでいて、小さい頃に読んだ天気についての児童書に、未来では天気を自在に操作することができるというのが載っていたのを思い出しました。一部ではオリンピックや重要な式典などで雨が降らないように、事前に飛行機飛ばして大気中に物質を撒くことで雨を先に降らせるという方法が使われているという話もあります。自由自在というわけにはいかないのでしょうけど、とにもかくにも温暖化は確実に進んでいるわけで、小さなエコでもやっていきましょうね。
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