農業分野への進出と企業戦略の変化
最近書店の棚に並ぶ「農業参入」本の多さや、テレビ(NHK プロフェッショナル仕事の流儀に出演する農業関連の方や昨日のクローズアップ東北での「農業参入」についてなど)、政権の農業についての政策(2009年6月農地制度の改正)、渋谷ギャルが秋田で作ったシブヤ米など、こと農業が話題ですね。
農地法の改正に伴って戦後初めて農地の貸し借りが原則自由となります。これによって企業個人だけでなく外国資本もが農地の賃貸契約を行うことができるようになります。クローズアップ東北では主に、公共事業の縮小などで経営を圧迫されている建設会社の農業分野への参入が多く紹介されていました。その多く(統計では参入企業の約6割)がまだ赤字経営なものの、戦略や手法の見直しによって徐々に利益を生み出す工夫が行われている様子も出ていました。
例えば野菜を作って販売を開始した建設会社では、市場へ出す際にかかる中間業者へのマージンが大きくて利益にならなかった問題を、コンビニなどの販売所に直接卸すことで中間マージンをなくし、利益の拡大に成功しつつあるという事例が紹介されました。昨今のPB(プライベートブランド)戦略にも当てはまるように、戦略の4P(商品・価格・流通・広報)の中で特に最近「流通コスト」についての改革が目立つ気がします。逆にいえば「流通コスト」に寄与する業態は今後も厳しい状況が予想されなくもありません。というよりもう影響が出てきています。
例を挙げるならWeb業界もその範疇に入る広告業界の倒産件数の増加です。帝国データバンクの調査によると、2009年上期(1月~9月)の広告業者の倒産は前年同期比40.6%増の201件に達しているそうですが、その中で業種別に多いのが「広告代理業」の93件だそうです(46.3%)。広告代理業も上で述べた中間業者と似た部分がありますので、同じような傾向が見て取れます。
話がそれましたが、これら農業分野への進出は地方の異業種だけではなく大手も同様で、産業機械の大手クボタやヤンマーなどが、上で述べた改正農地法による大型農機の需要拡大に向けて整備拠点を拡大したり、整備士の増員を図るそうです。行政の政策とも絡んで需要・雇用の創出が期待できるかもと言われています。
最近の政策の変化は今後のビジネス関連にも大きく影響しそうだなというのが感じられますね(珍しく固い話題を固く書いてみた気がします)。
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