日経ビジネス 2010.12.6

市前です。タイトルの雑誌のレビューですnikkeiB1206

日経ビジネス 2010.12.6 p.22-36
特集 日本の水を売りまくれ
始まった世界No.1への挑戦

世界の人口増加と経済成長により、世界の水需要は増加の一途をたどっています。2025年には87兆円の巨大市場に成長する見込みとも言われているほどです。日本では蛇口をひねると飲み水が出ますが、経済的渇水、物理的渇水などの理由で、水がまだまだ万人に平等ではないのが現状です。

一言に水といっても、水ビジネスには様々な企業が参入しています。部材・部品・機器製造、プラントの設計・調達・建設、水道事業運営・維持管理などです。日本勢は、部材分野で海水淡水化に関しては高度な技術を持っているほか、産業用途向けの超純水製造も強みのひとつです。ただし、部材供給だけでは水ビジネス拡大に限界があり、装置設計から管理運営など一貫したサービスの提供が大きな課題となっています。

韓国・中国・シンガポールとライバルも多く、2009年に日本の水処理会社が海外で稼いだ額が1200億円なのに対し、シンガポールは5000億円というデータも出ています。水道管の漏水率の低さや下水管の補強工法など、ニーズに対応できる技術を持っていながら、深く参入できずにいるのは高コストの問題です。

国内は、少子高齢化の影響で水の需要が低下し、水道局の経営環境が悪化しています。大量の退職も間近に迫っている中、予算が大幅に減少したことで「耐用年数を超えた設備をだましだまし使っている状態」(大阪市水道局)で、次世代職員への技術の伝承も大きな課題です。

企業の生き残りをかけ、経験を積めて尚且つ外貨を獲得できる海外進出は必至です。高品質・高コストの問題は、損して得取れの考えで解決できないものかと思ってしまいます。
当事者の立場になってみれば、安全な水がない生活は切実な問題です。日本の技術が世界の渇水地帯に潤いを与えるのであれば、それはとても誇らしいことだと思います。ライバルが多い水ビジネスですが、企業存続のためにも、ぜひチャンスをものにしてもらいたいところです。

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