変わる世界と価値観「パーソナルなソーシャル」

東日本大震災は日本での大きな出来事でしたが、世界でも大きな変化が各所で起きています。ミャンマーでは軍事政権の独壇場からアウンサン・スーチーさんにみられる民主化や企業進出の動きが見られますし、EUもギリシャを発端とする経済危機が今も止まりません。

スペインの失業率23%超えは他国のこととはいえゾッとする数値です(25歳未満の失業率は50%を超えているそうです)。 こうしたことはとても大きな変化なので個々人ではなかなか感じられないかもしれませんが、様々に変わる世界は小さな自分たちとつながりがないわけではなく、様々な変化を感じとれるような気がしています。

変わる世界と価値観

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 05月号 [雑誌]例えば自分もサイトの運用などで関わっているLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの人々をまとめて表す略語)関連について言えば、アメリカではここのところ「LGBTフレンドリー(性差別の少なさ)」が注目され、アップルやゴールドマン・サックスなど数多くの大企業がLGBTに配慮・理解を普及する流れがあるそうです。

理由としては60兆円を超えるといわれるLGBT市場であったり、ダイバーシティ(多様性)が注目されるようになり、様々な価値観が理解されるようになってきたことも背景としてあるように思われます(クーリエ ジャポン2012年5月号「市場開拓と人材確保に有利な”LGBTフレンドリー”とは?」参考)

個人的には昨今のソーシャルメディアの普及に関して思うことがあります。人のつながりや口コミが重視されるようになり、企業マーケティングでもNPOや個人の活動にもその利点が注目されるようになったソーシャルメディアですが、同時にかつて「mixi疲れ」とも言われた、ソーシャルメディアでの人付き合いに関するジレンマや葛藤などが、色々な価値観や動きにつながってくるのではないかと感じています。

ここのところ日本でも急速にユーザーが増えているFacebookはその最たるものだと思います。先に優れた点を上げればたくさんありますが、実名制システムというこれまで日本では受け入れられないと思われていた予想に反して、実名が故に信頼性を持つ情報の力。「いいね!」やコメント、シェアといった機能で時に緩く、時に強くユーザー間を結び付けるコミュニケーション機能。これらを集約するウォールやグループ、Facebookページ。そしてgoogleなどの検索連動型広告を超える、より広告の対象をセグメンテーションして出稿することができる広告機能などなど。Facebookの魅力や機能を語れば非常に多くのことが挙げられます。

一方で、組織としてFacebookを利用する際に、好むと好まざるとにかかわらずユーザー登録からグループへの参加を強制されたり、友達としてつながりたくなくても断れない友だち申請へのジレンマや、上司のウォールには部下が競って「いいね!」を押すといったことまで見聞きします。

こうしたWeb上でのコミュニケーションに関する問題に限らず、核家族化や失業問題、うつ病や自殺者の増加などはいずれも社会の中にあって顕在化してきたものであり、経済的なことや政治的なことから、一般の人々が感じる価値観にも様々な変化が起こっていると感じています。

2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)経営コンサルタントの神田昌典さんは著書「2022―これから10年、活躍できる人の条件 」でこう書いています。

これからの10年で、世界は生まれ変わる。(中略)世界がリシャッフルされるのである。

著書の中では歴史の70年周期説などを上げて書かれていますが、様々な変化が大小問わず起きているということは自分も肌で感じています。

パーソナルなソーシャル

こういった、人のつながりが様々な理由から半ば強制的につなげられるようなことまで見られることや、オンとオフの境目が曖昧にならざるを得ないような状態など様々に肌で感じることから、個人的には今後「パーソナルなソーシャル」という形態が出てくるのではないかと感じています。ソーシャルメディアで人と人、企業と人がつながる状態の中で、より「個」を重視したサービスや状態が今後出てくるような気がしています。

「パーソナルなソーシャル」と言うと相反する言葉がつながっているので一見意味不明に思われるかもしれませんが、世間の人が好もうが好むまいが、今後あらゆるものがソーシャルメディアに飲まれていく状態が続くということは確実だと考えられます。つまりそういった状態(あらゆるものがつながりあう世界)の中にあって、個々の人々が自身のパーソナル(個性や独立性)を守る、キープしようとする状態が発生するという風に考えています。

個人的にも、人とつながるものではなく、自分だけで使えるもの、自分と向き合うものなど、よりパーソナルなサービスを使いたいと思うようになりました。つながりから生まれ、つながりを生み出すソーシャルメディアとは相反するモノですが、しかしおそらくこういうモノ自体は、一見矛盾するようですがやはりソーシャルなものから生まれてくると思います。ソーシャルメディアがもつ「つながり」の力は今後も広がりを見せると思います。「パーソナルなソーシャル」というのは映画で例えればスピンオフのようなイメージで考えています。

ソーシャルメディアがこれだけ普及したのはその「つながりを生み出す力」の強さが故でしたが、つながりだけでは生まれないものや、その中で変わる価値観の変化が故に生み出されるものが今後カタチを持って現れてくると感じています。

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