挑む力 世界一を獲った富士通の流儀

挑む力 世界一を獲った富士通の流儀レビュープラスさんよりいただいた書籍「挑む力 世界一を獲った富士通の流儀」を読みました。

ビジネス系、自己啓発系の書籍はなんだかんだ言いながら読んでしまうというか、ブログに書いていないだけで他のジャンルの本も読んでいるんですが本書も読んだら読んだで大変刺激になる1冊です。

タイトルにもあるように、本書では富士通株式会社が関わったプロジェクトの事例が主な内容です。その中には最近話題になったスーパーコンピューター「京」や、東証の株価売買システム「アローヘッド」などビッグプロジェクトから、東日本大震災での復興支援、高齢者や障害者に人気のらくらくホン、農業をICTで支えるプロジェクトなど大小問わずどれも興味深い事例が取り上げられています。

本書ではリーダーシップがひとつのテーマとして根幹にありますが、こういったテーマについては通常複数の組織事例が挙げられる場合が多いと思いますが、本書は富士通一社に絞って掲載されています。お陰で富士通という会社がどのようなプロジェクトを手がけていたのかよく分かりましたし、何より本書全体を通して一組織におけるミッションの重要性や企業アイデンティティのようなものが分かりやすく見えたような気がします。

登場するリーダーの方たちは必ずしも自分の意志でそのプロジェクトに関わった方ばかりではなく、不安や緊張の中で始まったものもありましたが、いざ賽が投げられてからの行動や実践、リーダーシップや試行錯誤の様子はとても刺激的です。どのプロジェクトにも大なり小なり逆境の場面が登場しますが、それをチームで乗り越えたり、逆境が結果として後に好材料として働いたものなどもあります。

実践値のリーダーシップ

リーダーからの含蓄ある言葉も惹かれるものが多々あります。その中でひとつ紹介します。

「実践あるのみ。理屈なんて後付けです。考えてから行動するのでは遅い。行動しながら考えて、実践知を得るしかありません。そうしながら実績を作れば、必ず報われます。逆に、こういった非常時に、やらなかったらどうなりますか。富士通はお金がないと動かない会社だと思われてしまう」

上は被災地支援のプロジェクトに関わったリーダーが、支援の方法としてビジネスツールや人員を無償で提供し続けることに対する社内からの不安について一蹴した言葉です。巻末の解説には野中郁次郎さんの寄稿が掲載されていますが、そこでは「実践値のリーダーシップ」について触れられています。

実践知とは世のため人のために尽くすという社会性の高いビジョンを持ちながら、現実に即した具体的な文脈(事実の背後にある関係性)を読んで適切な判断を下し実行することであり、これに基づいてリーダーシップを発揮するための6つの能力について解説してあります。

繰り返しになりますが本書全体を通して言えるのはリーダーシップやチームとしての力、ミッションの重要性などで、多くの巨大なプロジェクトや新しい価値への取り組み(農業クラウドや次世代電子カルテなど)なども含めて実際の企業事例として大変参考にも刺激にもなります。

個人的にはアクセシビリティとの関わりも深い、らくらくホンについての箇所を興味深く読ませていただきましたが、お世辞ではなくどの章もとても興味を惹かれる面白い内容でした。このレビューでも触れていない多くの面白さが詰まっていると思います。

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