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「挑戦<新たなる繁栄を切り開け!>(大前研一通信 特別保存版PartⅦ)」【読書レビュー】

挑戦〈新たなる繁栄を切り開け! 〉 (大前研一通信 特別保存版 PartVII)レビュープラスさんから頂いた電子書籍「挑戦〈新たなる繁栄を切り開け! 〉 (大前研一通信 特別保存版 PartVII)」を読みました。

本書を読む前に個人的に買って読んでいたのが、同じ大前研一氏の「稼ぐ力: 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方」でした。最近は自己啓発系やビジネス系の書籍は手に取ることが少なかったのですが、「稼ぐ力」を書店で立ち読みした際、企業の現状について具体的な指摘が多く載っていたことと、以前にも同氏の著作を読んで感じた読みやすさからその場で購入して読んでいました。

「稼ぐ力」と本書では発売時期が近いこともあり、これからの人材に求められる要件(ハードスキルとソフトスキル)や教育の重要性と現場が抱える問題点や現状などは結構重複する部分があり、ある意味復習になったように思います。

本書は「稼ぐ力」と比べてより「教育」というテーマについて深堀りされており、各国と日本の教育システムについて多くの事例と差異が紹介されています。ことドイツの教育システムは日本と大きく異なっており、デュアルシステム(職業訓練と学業の両立)などは新鮮に感じられます。

日本でもインターンシップや職場体験などのシステムはありますが、ドイツの場合はより教育システムの基幹要件として根付いているようで、トータル(幼少期から青年期)の期間を通して「職業人」を育成し、国の発展のために人材を育てるというコンセプトが通っていると感じました。

フィンランドやデンマークでも同様に職業訓練制度が充実していたり、アジア圏では韓国やシンガポールなどが国策として教育を重視することで、中長期的な国の成長につなげる狙いが見えます。

本書のコンセプトは「教育」であり、著者の大前研一氏が学長を務めるBBT(ビジネスブレークスルー)大学についても取り上げられています。昨今はMOOC(大規模オープンオンラインコース)など大学の授業をインターネット上で無料で受講できるシステムが注目されており、以前から興味のあったカーンアカデミーも紹介されています。MOOCといえば日本でもJMOOCなどいわゆる「日本版MOOC」が設立されるなど、取り組みが進みつつあります。

個人的に教育とeラーニングシステムには興味があり、前述のカーンアカデミーの創設者であるサルマン・カーンの「世界はひとつの教室」や、日本人の税所篤快さんの著書「最高の授業を、世界の果てまで届けよう」などを読んで、最近注目される反転授業の有効性についてもどちらかといえば肯定的に考えています。

P・F・ドラッカーもeラーニングについては「ネクスト・ソサエティ」の中で触れており、知識労働社会におけるeラーニングの可能性に注目していることが伺えます。

私が教育やeラーニングに注目する理由はいくつかありますが、今後の時代の変化に対応するためと、現状抱える多くの問題に対処するためにとても重要なポイントだと考えています。それはグローバル化への人材的対応であったり、社会問題化する情報漏洩やモラル低下、ビッグデータの負の側面、ソーシャルメディアの安全な利用など数えればきりがありません。

いずれにせよ教育は人が生きるための「精神的な糧」であり、健全で有益な教育こそが今とこれからの時代にとても重要な要素であると考えます。その教育をより有効に活かすための手段としてeラーニングにも注目しており、BBT大学の取り組みにも改めて注目させられました。

あとは余談ですが、今回の書籍はiPadのアプリで読んだのですが最初はなかなか慣れず、ちょっと読み辛さを感じました。インターネットに接続していないと読み進められないため外出先で読み進めるのが億劫であったり、インターフェイスがいつも使っているKindleやiBooksとは異なることもあってあまり快適ではなかったというのが正直なところです。一方良かった点としてペンで自由に書き込みができる機能は(だいぶ後で気づいたのですが)、普段ペンを片手に本を読む自分としてはなかなか良かったです。

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