「役に立たない」と思う本こそ買え【読書レビュー】

「役に立たない」と思う本こそ買えレビュープラスさんから『「役に立たない」と思う本こそ買え』を頂きました。

レビュープラスさんにはいつも課題本を頂いてレビューを書かせてもらっているんですが、今回は「リクエストプログラム」という、これまでと少し違うシステムで頂きました。

これまではレビューする本があらかじめ決められていて、それを読んでみたければ申し込むというシステムだったのですが、今回の「リクエストプログラム」では、レビュアー(ユーザー)が読んでみたい本を申し込み、もしレビューができる状態になったらその本をレビューさせてもらえるという画期的なシステムです。

このシステムの良いところは、なんといっても「レビュアーが読みたい本をレビューできる」というところ。リクエストをする際に冊数の制限はなかったので、「当たれば儲けもの」と思い結構な数をリクエストしたのですが、その中の一冊がありがたくも対象となってレビューをさせて頂けることになりました。前から読んでみたかったけど買わずに手が出なかった本を頂いて読めるというのはとても嬉しいですね。

今回頂いた本は冒頭でも紹介した『「役に立たない」と思う本こそ買え』です。

乱読を肯定されて嬉しかった

本書をなぜ読みたかったというと、近隣の書店で見かけた時に少しだけ立ち読みしたのがきっかけなんですが、その時に乱読を肯定されていたのがなんとなく嬉しいと感じたからです。

本の読み方には速読や熟読など色々なタイプがありますが、ここ最近の自分は乱読タイプで、特定のジャンルの本を集中して読むことはあまりなく、色々な本に少しずつ手を付けていることが多いです(「乱読」という言葉の定義はあまり無いような気もしますが、自分の中では様々なジャンルの本を読み散らかすというイメージです)。

色々なことに興味があるので乱読してしまうんですが、節操のない感じもして「もっと仕事に直接的に関係のある本を読んだ方が良いんじゃないか」とか「特定の分野にある程度集中してみる期間があっても良いかな」とか思って、自分の中ではある意味罪悪感を感じることもありました。

そんな時に著者の森田さんは本書の中で、乱読派であることや、読んだ本のことを忘れてしまっても良いと言われています。

細かい内容は忘れてしまっても、その本に通底する論理が頭に残り、何冊も読むうちに、それがだんだん自分の思考を形づくっていく。

断片しか覚えていなくて内容を忘れてしまったら、読まないのと同じだろう、と思うかもしれないが、それは違うのだ。前述したように、頭のどこかに残っていて、ふとした瞬間に記憶がよみがえり、目の前のことと結びついて自分流の考え方や判断ができる。

「読んだ本の内容を忘れても良い」という肯定は心強いと同時に、自分の中にあった読書に対する考えが間違っていなかったとも感じました。

これまでも読んだ本の内容についてよく覚えているものもあれば、何が書いてあったかすっかり忘れてしまったものもたくさんあります。とはいえ、これまで読んできた経験が無駄になったかと言えばそんな風にも感じていなくて、古い地層の中にある化石の一片のように、何かはっきりとは分からないけど、自分の中の一部として「ある」感じがしていました。

乱読と読んだことを忘れることについて、ある意味の励ましをしてもらっただけでも本書を読んだ甲斐があったように思います。

著者の森田さんは相当幅広い分野の本を読んでこられたようで、将棋から社会構造、科学、宗教、詩など、これまで読んでこられた本にまつわるエピソードが本書には満載です。個人的に興味が無いと思っていた章でも、その内容の面白さについ読んでしまいました。

個人的には「アルジャーノンに花束を」が取り上げられていてとても嬉しかったです。本書を読んだあと「アルジャーノン~」も読んだんですが、なんとも言えない気持ちになって感想という形に言い表すことができない読後感がありました。とはいえ読めたこと自体にとても満足感を感じて、生きているうちにああいう小説が読めて本当に良かったと思いました。

個人的に、本書は「本を読むことを励ましてくれる、本を読むことの楽しさを感じさせてくれる」という点でとても好きな一冊です。

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