宇宙は本当にひとつなのか【読書レビュー】

安藤です。はじめに断っておきますが今回のレビューはかなりマニアックです。

実は本書は前回のレビュー時に読もうと思って手にとってレジに向かいかけたところで偶然目についた「知らないと恥をかく世界の大問題3」に変更するという経緯がありました。そんなわけで本書の出番は今回となったのですが、つい先日「質量」の原因となったヒッグス粒子が発見されるという本書の内容とも関係のあるニュースが飛び込んできて、偶然ですがなんだかすごいなと思う次第です。

本書の内容は宇宙の構造、暗黒物質、宇宙の運命、異次元の存在やそもそも宇宙がたくさんあるかもといった内容が書かれています。基本的にはだれでもわかるように書かれていますが、結構専門的な言葉が出たり中にはわかりにくいなと思うところもありました。でもその「わからない」と思ったところを調べたり、そこでまたさらに疑問を見つけて調べるというのもこれはこれで楽しいものです。

宇宙に興味があった私でもいろいろと新しい発見があったのですが、特に驚いたのは、私達が観測できる原子(の材料のクォーク)や最近話題になったニュートリノ等を全部あわせても宇宙全体の5%にも満たないということです。。残りの23%が暗黒物質で、73%が暗黒エネルギーだそうです。暗黒物質と暗黒エネルギーの正体はまだわかっていません。私は昔宇宙の運命について、いつか銀河は全部ブラックホールに飲み込まれてしまってブラックホールしかない宇宙になり、しまいにはブラックホールは蒸発してなにも残らないと書いてあったのを見て絶望(?)しました。しかし最近の研究では暗黒物質のせいで宇宙の膨張が加速しているということがわかり、加速しすぎて速度が無限大になると宇宙は全部バラバラに引き裂かれてしますそうです(ビッグ・リップ)。膨張速度が無限大になるかならないかはまだわかっていないそうですが…。

本書を読んで宇宙についていろいろ新しいことを知ることができましたし、知れば知るほど謎が深まりました。なかには「宇宙のことを知ったところで何の役に立つんだ?」という人もいるかもしれません。確かに何の役にも立ちません。しかしわれわれは探求するのです。人間だから。

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