3Dプリンターの普及による変化は幅広そう

MAKERS―21世紀の産業革命が始まるフリーミアムが一般に広く知られることになった書籍「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」や「ロングテール」など、IT関連の書籍で有名なWiredの編集長、クリス・アンダーソンの新作「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」が発売されました。

まだ途中までですが、今のところこれまでの書籍とはまた違った角度からの話でとても面白いです。Webだけでなく3D技術の発達によって誰もがMAKER(作り手)になることが容易になってきたというのが紹介されています。この中で頻繁に登場するのが「3Dプリンター」で、パソコンで作成した3Dのデータを実際に製造できるものだそうです。すでに家庭用の3Dプリンターも販売されており、4〜5万で買えるタイプもあるそうです。

時を同じくしてクーリエ・ジャポン2012年12月号にこんなタイトルの記事があり、おぉっと目を引きました。

誰もが自宅で銃を作れる時代が到来!?3Dプリンターで「銃生産工場」増加の脅威

記事ではアメリカの大学生コーディ・ウィルソン(20)が音頭を取って世界初の3D印刷が可能な銃を作るというプロジェクトを進めているという内容で、写真では3Dプリンターで作ったライフル銃を手にした本人が写っています。当人は熱心な自由主義者とのことですが、安易に銃の製造を考えているわけでもなさそうであると記事では触れられています。

いずれにせよMAKERSやクーリエ・ジャポンの当記事でも紹介されているように、3Dプリンターは今後も機能の改良や低価格化が進み、今の家庭でデジカメの写真を印刷するように、3Dプリンターであらゆるものが製造可能になる気配があります。

Google insights for Searchでの結果3Dというと一般人には敷居が高いと感じそうですが、Webのオープンソース化よろしく「モノのオープンソース化」にもクリス・アンダーソンは触れており、3Dの設計書やデータは今後オープンソースで広まることも考えられ、そうなると3Dの知識を持っていない一般ユーザーでも精巧なモノを自宅で製造することが可能であるとしています。

また、3Dに対応する技術も発展して、多角度から撮った写真を元にして3Dを簡易に製造するという技術も進化するだろうとしています(実際Poserという3D作成ソフトでは古いバージョンでも写真取り込みによる人物の頭部のモデリングが可能でした)。実際「3Dプリンター」に関する認知は2012年に入ってから急速に上がっていて、特に北米を中心にGoogleの検索でも検索数が飛躍的に伸びているようです。

この流れは既存の大量生産によるビジネスモデルとは全く異なる流れを起こすともMAKERSでは触れられているなど、これまでの「FREE」や「ロングテール」とはまた異なる視点での潮流を垣間見ることができます。

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