視覚に障害のある方のIPAD体験サポートで感じた新聞アプリのアクセシビリティ
2019年7月22日、青森県内の某眼科さんで、視覚に障害のある方にiPad体験をしていただくためのサポートを担当しました。
4月に同様のサポートをさせていただいたところで、3ヶ月ぶりに伺いました。
自分は基本的にサポートの形で、メインは眼科にいらっしゃる視能訓練士さんが担当です。
今回いらっしゃった弱視の方は、以前購入した携帯型の拡大読書機について相談されていました。
上の写真のように、新聞の記事を拡大して表示することはできるのですが、ごく一部分しか表示されないので、文章を追うのが大変とのこと。
たしかにこの拡大倍率だと、紙面を俯瞰で見渡すことが難しいので、そもそも記事の出だし部分を見つけることが難しそうです。
まして新聞は規則正しく記事が段組されているわけではないので、拡大読書機を使って紙面を拡大することはできたとしても、記事のまとまりを区別して読み進めていくことは困難だと感じました。
こうした場合、紙面の記事がリスト型に整理されていて、かつ音声読み上げ機能でも読み上げられる状態であれば、弱視や全盲の方でも新聞を読み進めることはできるかもしれません。
日本経済新聞紙面ビュアーと朝日新聞デジタルのiPadアプリで少し試してみましたが、日経の方は現状アプリがあまりアクセシブルではないようで、ボイスオーバー(音声読み上げ機能)では任意の新聞を開くところから難しい印象でした。
新聞の中の各記事はリスト型に整理されてはいるのですが、音声で読み上げてくれなかったので任意の記事を探すのが困難でした。惜しい。
一方で朝日新聞デジタルのiPadアプリは、現在は縦向きでしか使えないのが少し残念ですが、リスト型で記事の見出しが整理されており音声読み上げにも対応。任意の記事を探して開き、記事の中身を音声で読み上げることもできました。少し操作に慣れれば十分使えそうです。
視覚に障害があっても新聞の情報を得たいというニーズはあります。紙媒体ではそれが難しくてもアプリやWebサービスがアクセシビリティに配慮されていれば利用できる人の幅は増えますし、結果的としてユーザーを獲得できる機会にもなります。
サービスを提供する側もされる側も両方にメリットがあるので、ぜひこうした配慮が広がるとよいと思います。
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