中心にタブレットを操作する男性。周囲にたくさんの老若男女

デジタル・ディバイド・ダイバーシティ(DDD)

来月担当する講座の関係で、デジタル・ディバイドについていろいろ調べたり考えを巡らせています。

デジタル・ディバイドとはざっくり言うと、インターネットやパソコンなどの情報通信技術(ICT)を利用できる人々と、そうでない人々との間に生じる格差のことです。分かりやすいのは、スマホが得意な若者と不得意なご年配者といったもの。

デジタル・ディバイドについての現状や課題、解消のための取り組み事例などをいろいろ見ていて、ふと感じたことがある言葉として頭に浮かんできて。それが表題の「デジタル・ディバイド・ダイバーシティ」です。ちなみにダイバーシティとは「多様性」といった意味です。

ググってみたりしたんですが、どうもこんな用語は今のところないようなので、ひとまず自分の中で思うデジタル・ディバイド・ダイバーシティという言葉を定義してみようと思いました。

「デジタル・ディバイド・ダイバーシティ(情報格差における多様性)とは、デジタル・ディバイドに含まれる格差の中で、さらにさまざまな多様性がある様相のこと」といった感じでしょうか。

デジタル・ディバイドに属する課題の中には、上で述べたような若い人とシニアの間にあるICTリテラシーの差などがよく言われます。その解消策のひとつとして、スマホの貸出や講習会が実施されるといった取り組みが日本各地で行われています。

ここでふと思ったのが「スマホって人によって違う機種を使っていたり、OSが異なったり、同じジャンルのアプリでも異なるアプリ(たとえばチャットアプリでもSlackやLINE WORKSなど)や機能を使っていたりと、人それぞれによってかなり多様性がある」ということ。

仮に講習会であるアプリの活用法、たとえばLINEのうまい使い方を学んだとしても、機種(らくらくスマホとiPhoneなど)やデバイスの種類(スマホ版・タブレット版・PC版など)が異なれば、使い方やUIなどが微妙に違う部分があって「今までだと普通に使えたのに、機種変したら使い方がわからなくなった」とか、「自分のスマホだと使い方はわかるんだけど、友達のスマホだと同じアプリでも使い方がちょっと違う」といったことがけっこうな確率で起こると思うんです。

ただでさえスマホや最近のICTサービス(スマホ決済など)に詳しくないのに、機種やデバイスの種類など微妙な違いによって、さらに使い方がわからなくなったり、教えてもらうのも困難になってしまう。

こうしたことは学校現場でも起こり得るというか実際に起こっていると思います。GIGAスクール構想で小中学生には一人一台のICT端末が配布されましたが、デバイスやOSの違いによって「この学校ではできるけどあの学校では難しい」「異動で学校が変わり、デバイスがまったく新しいものになって使い方がガラリと変わった」といったことをよく耳にします。

デジタル・ディバイドという分断や差の中に、さらにダイバーシティという形で課題が枝分かれしているのではないかと思うわけです。

ではデジタル・ディバイド・ダイバーシティに対してどういった向き合い方が必要なのかという展開が必要だと思うのですが、これはまた日を置いて考えが整理されたら追々ということで今日はこの辺で。

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