アプリでQRコードを読み取っている場面

「視覚に障害のある方がパッケージのQRコードをアプリで読み取れるか」テストに協力いただきました

3年ほど前に「「QR コードで世界中の印刷物を音声化する仕組みづくり」の実証実験 」についての活動を行ったことがあります。

その活動を依頼してくださった神戸ライトハウスさんから、パッケージにQRコードが印刷された商品とアンケート回収をご依頼いただきました。

今回のアンケートのポイントは、視覚障害のある方にスマホのQRコードリーダーアプリを使ってもらい、パッケージに印刷されたQRコードを読み取ることがメイン。

目の不自由な方でもスマホのアプリを使って、どこに印刷されているかわからないQRコードを読み取れるか、読み取りやすいかなどをモニタリングします。

新セデス錠のパッケージ表面

今回のアンケートで使用した商品は、シオノギヘルスケアから発売された新セデス錠。

新セデス錠パッケージ裏面

ちなみにQRコードは裏面の右下に印字されています。

このQRコードにはひと工夫こらされていて、QRコードの部分は少し凹みが作られています。目の不自由な方でも指の触感でQRコードの位置がわかりやすいような配慮がされています。

今回は3名の方にモニター協力いただきました。下の写真はそのうちのお一人(いつもこの関係で協力していただいている澁谷さん)に、実際にスマホでQRコードを読み取っていただいている場面です。

スマホでQRコードを読み取っている場面

QRコードを読み取るのに使用したアプリは3年前と同じ‎VIP コードリーダー。アプリは確実に改良されていて、当時よりもQRコードを読み取る精度が向上。アプリを起動した画面にQRコードがわずかにでも表示されれば、すぐ反応して商品説明ページにアクセスすることができました。

ちなみにVIPコードリーダーは、起動するとすぐビープ音が鳴り、QRコードを読み取り中ということが音でわかりやすくなっています。QRコードの読み取りが完了するとビープ音は自動で止まる親切設計です。

澁谷さんは普段からiPhoneを使用している方なので、端末自体に慣れているという面もあるかもしれません。それでもパッケージの工夫(QRコード周辺の凹みやパッケージを開けやすさ)やアプリの読み取り精度、読み取った先の内容(商品に関する情報が音声データで聞ける)など、総じて高い評価でした。

QRコード自体に情報を埋め込もうとすると、情報量の増加につれてQRコードも大きくなってしまいます。しかしこの例のように、QRコードは別ページへのURL(アドレス)だけにして、情報は別途ページで説明するようにすれば、QRコードは小さく収まり、小さな商品のパッケージにも印字が可能です。

目の見えない方が、こうした工夫によってたくさんの商品でも同じように情報を得られる環境が整えば良いと思います。

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