「考具」
市前です。加藤昌治著「考具」のレビューです。
著者が株式会社博報堂に勤め、PR(パブリック・リレーション)関連の仕事を通して「アイデアってどうしたら出てくるんだろう?」と試行錯誤をした中で、実際に活用している考える道具が「考具」として紹介されています。
2003年と、だいぶ前に出版された書籍です。すでに企画に関して様々な方法を試している方にとって、目新しいツールはないかもしれないですが、アイデアを出す緊急度によって、どれをどんな時に活用すればより効果的かが、分かりやすく書かれています。
最初に紹介されている「何を」「どうする」だけでも、実際に試してみるといくつかのアイデアが出てきます。実現度は後回しにし、質より量を優先させることが重要だそうです。
「すでに知っていることだけからしか何かを考え出すことはできません。知らないことは思い出せない。逆に、知っているけれども思い出せないこともたくさんあります」
たとえば、朝家を出る前に今日の「ラッキーカラー」を決めて、その色を意識的に浴びる「カラーバス」は、いつでも実行できる方法の一つです。他に「聞き耳を立てる」「臨時新聞記者」と、全部で6つの方法が紹介されています。アイデアをたくさん出した後さらに展開させる方法も、「ポストイット」「マンダラート」「連想ゲーム」など8種類あります。複合的に活用することでアイデアにかなり広がりがでます。どれも簡単に取り組めるものばかりという点が、何から手をつけたらよいのかわからない私にとって、とてもありがたいことです。
そして、出てきたアイデアを実用的な企画にするための、企画書4原則は、「これでいいの?」と思えるほど簡単に解説されています。これなら私にもできそうです。誰もが同じような風景を見て、同じようなTVを観て生活していると思います。情報の内容にさほど違いがない日常の中で、アイデアを引き出すきっかけが、たくさん詰まっている本です。
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