ロービジョン外来のお手伝いで感じた古い端末の良さ

2019年11月25日、青森県内の某眼科さんでロービジョン外来のお手伝いをしました。

この日は以前にもいらっしゃった弱視の方に、眼科のスタッフさんがiPadの活用方法を説明。自分はそのサポートという位置づけでした。

スタッフさんは無料で使えるオーディオブックのアプリをiPadに入れており、VoiceOverでオーディオブックの再生と停止を操作する方法を説明されていました。

音で楽しむアプリはいろいろありますが、オーディオブックのサービスは端末にデータをダウンロードして持ち歩けるので、オフライン環境でも利用できるのが良い点です。

ワンセグ付きラジオ

弱視の方にお話を聞いたところラジオをよく聞くとのこと。お持ちの端末を見せてもらいました。

ラジオだけでなくワンセグも使え、ボタンは指で触って認識できる凹凸のボタンがついています。

視覚に障害のある方は目で見てボタンを識別しにくいので、こうした凹凸のあるボタンの方が扱いやすい場合が多いのですが、この端末を見て改めて気づかされたことがあります。

それはスマホと違って、無料でラジオやテレビが見られること。

スマホでもラジオアプリはありますが、無線LANなどを利用できない場合は通信料がかかります。要は外で聞き続けるにはお金がかかることになります。

一方この端末は、当たり前といえば当たり前ですがラジオやワンセグをいくら見ても通信量がかかることはありません。電池が持つ限り使い続けることができます。さらにボタンも手で触ってわかるので使いやすい。

災害時など有事の際には、こうした少し古いと思われるような端末が、いろいろな意味で有効になるだろうなと改めて感じました。

逆にスマホに依存し過ぎていると、いざという時にはバッテリーの問題や電波の問題などで使い物にならなくなってしまう可能性もあると感じます。さすがにスマホでラジオ電波を受信できたり凹凸のボタンが採用されるとは考えにくいですし、iPhoneにワンセグチューナーが実装される可能性はないと思いますし。

新しければいいというものではなくて、いろいろな可能性を想定した場合、機器の多様性もまた大切なことなのではと思わされた1日でした。

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