餅は餅屋

2007/4/9

当方の主たる業務はサイト(ホームページ)制作ですが、たまにDTP(いわゆる紙メディア系)関係のお仕事を請けることがあります。しかしこれは例外的なことで、普段は紙のお仕事依頼をいただいてもほとんどお断りしています。結論から言えば、タイトルどおり「餅は餅屋」であるべきだと考えているからです。

もちろん世間にはサイト制作もDTPも同等の高いクオリティでこなせるクリエイターの方もいらっしゃいますが、自分はDTPの知識は無くはないものの、かなり中途半端なものだと自覚しています。もちろんお仕事として請けることも可能と言えば可能なのですが、サイト制作に比べて出力する納品物のクオリティに自信を持てませんし、無理に受注して中途半端なものを出せばクライアントに申し訳が立たないと思っています。「クオリティ > 収入」という、小さいですが仕事におけるポリシーみたいなものを持っています。

では紙メディア関係のお仕事依頼をいただいた時どうするかというと、その分野が得意で自分もそのスキルを認めている知り合いに頼むことにしています。原則として仲介料等は取らずです。

先日も某老人ホームのパンフレット制作を依頼された際、知り合いのグラフィックデザイナーにそのお仕事をお願いしました。私の役割はクライアントとデザイナーとの顔合わせ仲介と、デザイナーへのデータ受け渡し程度で、制作など主な作業は全てデザイナーに委託、というより丸投げしました。丸投げというと言葉が悪いですが、それだけそのデザイナーを信用しているからこそ全てをお任せしたということです。何か不足の事態が起これば当然私の出番が来るかもしれませんが、まず無いだろうと思っています。

この「不得意なものを無理に受注せず、得意な知り合いに委託(丸投げ)する」ことの良いポイントは明確で、クライアント・知り合い・私の三者それぞれがメリットを享受できるということです。
クライアントは依頼する仕事について、その分野の専門的スキルを持ったクリエイターに仕事をしてもらえることができます。中途半端なスキルを持った業者に頼むより、対価に見合った成果物を得られるはずです。
知り合いは自分の得意分野で仕事をすることができ収入を得ることができます。そして私は収入面ではメリットが無いですが、「クライアントからの要望に良い形でレスポンスを返すことができる」というメリットがあります。これが意外に重要で、その場では私の出番がなくても、クライアントに対して「あそこに頼めば何かいいアイデアを出してくれるかもしれない」という期待値を上げることができますし、それが後々の収入につながる可能性も出てくるかもしれません。

短期的には収入になっても長期的に考えればより大きなメリットとなって返ってくる。餅は餅屋であるべきだと思っています。ちなみに私の名刺も知り合いに頼んで作ってもらった、餅屋の仕事です。

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