全盲の視覚障害者の方向けiPad講習会を開催しました

視覚障害者向けiPad講習会の様子2012年5月20日(日)青森市ふれあいの館にて、視覚障害者の方向けiPad講習会を開催しました。

これまで何度かiPad講習会を開催してきましたが、視覚障害者の方向けに講習会をしたのは今回が初めてでした。また参加された三名の方は全員全盲の方で、色弱・弱視の方はいらっしゃいませんでした。

弱視の方の場合はiPadの画面を大きく拡大するズーム機能を利用することができるので使えるアプリの幅も広がるのですが、全盲の方の場合はiPadの操作においてVoice Over(iOSに標準搭載の音声読み上げ機能)が読み上げる音声のみが頼りになります。そのため利用できるアプリの幅もぐっと少ないわけですが、何かしら役に立ててもらえるのではないか、その辺りの可能性を探る意味でも有意義かと思い、開催しました。

あらゆる音が鳴る特殊な状態の中での操作

内容としてはあまり細かい部分には極力触れず、あえてやや大まかにiPadの画面やジェスチャーについて説明を進めていくところから始めました。上で述べたように参加者の皆さんは音声だけが頼りなことに加えて、画面に触れた指の場所、指の触れ方(タップかフリックか)、指の本数などちょっとした違いで様々な音が鳴るという、とても特殊な状態でiPadを操作されていました。iPadについて随時詳しい説明も必要と思いつつ、一度に細かいところまで逐一お知らせするのも情報量が多くなりすぎると思い、各参加者の様子を見て説明の言葉を選びながらゆっくり進めるようにしました。

全盲の方にとって肝はジェスチャー

特に力を入れたのはジェスチャーの練習です。パソコンのショートカットキーの役割を担うことができ、ジェスチャーごとに様々な読み上げの仕方や動作を行うことができます。逆に言うとジェスチャーを正確に行うことができなければ画面の中で迷子になったり、意図しないものを読み上げることがあるため、ある程度時間を取ってジェスチャーの練習をしていただきました。

ジェスチャーにおいて特に引っかかりやすいのが、フリックしたつもりがタップ(タッチ)として認識される場合が多いことです。左右のジェスチャーは項目の前後移動を行う機能があるため使えれば便利なのですが、これがタップとして認識されると順番に読み上げていた流れが途絶えてしまうので、特に注意が必要です。また、iPadのディスプレイに貼っている液晶保護シートの種類によっては滑りが良くないものもあり、ジェスチャーに不向きな場合があると感じます。

ゆっくりじっくり進行

当初はsafari(インターネット)とミュージック、iBooks(電子書籍)の3つのアプリを講習で触ってみようと思っていたのですが、結果的にはsafariのみの使用で終わりました。safariの中で表示されるサイトの内容(今回は参加者の方のブログを見本に使わせていただきました)について、読み上げのジェスチャーやリンクのクリックの仕方、戻るボタンの位置などについて説明したり使ってもらったりしているうちにあっという間に時間となりました。

長めにとった昼休みの時間も考慮すれば実質の講習時間は2時間弱というところでしたが、おそらくこれくらいが限度かなという風に感じました。上で述べたように音声だけの画面に頼らない状態での使用はかなり疲労されると感じました。また、ちょっとした指の使い方の違いで意図せぬ箇所が反応したり音楽が鳴ったりといったこともありましたし、同じアプリ内でもちょっとした状態の違いで読み上げ方が変わることもありました。画面の変化を視覚的に捉えられれば対処もしやすいでしょうが、音声だけが頼りの場合はこの辺りの障壁もかなり高くなってしまいます。

終わって皆さんに感想を伺ったところ、「面白かった。慣れれば使えそうな気がする。また次回も来たい」と言ってもらえたのが嬉しかったです。扱いは難しそうだという感想の方もいらっしゃいましたが、外部キーボードを併用することもできることを紹介したところ、興味を持っていただけたようでした。

来月6月にも講習会を一度開催する予定です(参加者もすでに決まっています)。人数については今回の経験から、一人で教えるには3名がギリギリという感じです。できれば1〜2名がベストですが、興味のある方には参加していただきたいと思っているのでなんとか3名までは頑張ってみたいと思います。

視覚障害者向けiPad講習会は月1ペースで開催していく予定でいます。参加してみたい方、見学してみたい方などいらっしゃいましたらinfo@hpstyling.comまでご連絡ください。

「全盲の視覚障害者の方向けiPad講習会を開催しました」への2件のフィードバック

  1. iPadの講習会、次回かその次の次・・・・でいいので、見学したいと思っています。お邪魔にならぬよう静かにそっと見させていただけたらと。どうかよろしくお願いいたします。
    また、観光ガイドボランティア養成研修会のお知らせもしてくださり、ありがとうございます。モロモロ含めまして、感謝です。
    まだまだ朝晩冷えますので、みなさま風邪などひかぬよう、どうか気をつけててくださいね。

    このスペースをこのように勝手に使いまして、申し訳ございませんでした。

  2. >くろさわ様

    毎度お世話になっております。高森です。
    コメントいただきましてありがとうございました(気づくのが遅くなり申し訳ありません)。

    視覚障害者さん向けiPad講習会の見学については、次回からはOKなので大丈夫です!
    私がうまくやれるかは別として、お待ちしてますね。

    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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