MEMSによる未来のビッグデータ収集

内服薬(イメージ)ポストスマート端末としてメガネ型や腕時計型などのウェアラブル端末が注目を集めつつありますが、個人的に「ポストウェアラブル」として気になっているのがMEMS(メムス)と呼ばれる微小な電気機械システムです。

MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)は極小のセンサーや電子回路などをひとまとまりにした電子部品です。非常に小さいことからスマートフォンのセンサーやDNAチップなどすでに様々な分野で使用されているそうですが、今後は医療分野での応用が期待されているそうです。

例えば飲み薬や食事と一緒にMEMSを体内に取り込むことで、被験者の運動量や食生活、体調など人体に関する様々な情報を得られる可能性があります。情報といえば昨今はビッグデータの話題が事欠かず、モバイル端末やソーシャルメディアの普及に伴ってあらゆる個人情報が大量に集められ、それがビッグデータという「商品価値」を持って様々なビジネスに応用されています。

そのビッグデータにおいてある意味次のステップともいえる「人体そのものの情報」を、MEMSを使用することによって得られる可能性があります。ソーシャルメディアなどの情報については人それぞれがその時の感情に応じて投稿内容を変えることができます。言い換えれば出力する情報を個人の判断で操作できるとも言えるわけですが、MEMSによって体内から収集されるデータはウソをつくことができません。そのためより質の高い個人情報を得られる可能性があります。

また、MEMSの技術が進めば人体の状態だけでなく、思考など心理面からの情報収集が可能になるかもしれません。ソーシャルメディアから収集するのに比べて格段に、ある意味究極のクオリティを持った個人情報を集めることも可能になるのかもしれません。

ビッグデータやクラウドなど情報を扱う上で必ず問題になるのは情報の保護についてです。アメリカの盗聴問題しかり、ネットの情報漏洩しかり、情報の質が高まれば高まるほど大きな問題になりますが、今の時点においてもICT技術の進化に大して情報の保護についての意識や制度、対策は遅れています。

また、質の高い情報はその情報源であるユーザーにも恩恵をもたらします。より便利に、快適に利用できるサービスを体験した場合、ユーザーは利便性とリスクを天秤にかけますが、利便性がリスクを上回る場合、リスクに対しての意識が低減します。現在ですらFacebookやTwitterで自分が今どこで何をしているのか、位置情報付きで公開することに何の疑問も抱かないという人は少なくないはずです。

今回の投稿ではある意味未来予測的なことを書いてみましたが、何年か後に実際どうなっているのか振り返ってみたいと思います。

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