マズローの欲求五段階説を今の時代にそのまま当てはめて考えるのは大丈夫?
心理学には世間でもよく知られた数々の用語があります。
その中でも特に知られているものの一つが、マズローの欲求五段階説です。
これは人間の基本的な欲求の五つの階層で理論化したものです。
上から順に
- 自己実現の欲求
- 承認の欲求
- 社会的(所属・愛)欲求
- 安全の欲求
- 生理的欲求
の五つに分けられます。
人間の欲求は一番下の生理的欲求が満たされれば、その次の安全の欲求へ。その欲求が満たされればまたさらに次の欲求へと、段階をステップアップしていくという理論です。
学校でも倫理などの教科で登場するこの理論は、心理学の古典的用語として知られています。
教養が重要視される昨今、こうした古典的な用語の意味を省み、現在の活動に生かすという温故知新的な考え方が必要だという意見もあります。
一方で、こうした古典的理論が現代においてもそのまま当てはまるかどうかを改めて考えてみるべき時もあると思います。
例えばこの欲求五段階説の場合、最上位にあるのは自己実現の欲求です。
しかし現代の場合、人によっては自己実現の欲求よりも、承認欲求の方が高次に位置づけられる場合もあると思います。
SNSなどを利用していれば、人の関心を惹きつける特徴的な写真や動画を投稿し注目を集めることで「自分の感性が認められた」「たくさんの人に自分の才能を理解してもらえた」という感情が最も大切だと考える人もいます。
こうしたことを鑑みると、欲求五段階説もそのまま考えるのではなく、現在の状況に合わせて少し組み変えてみることで、より精度の高い心理的な分析が行える可能性もあります。
こうして考えてみると上で触れた温故知新も、ただ昔の考え方をそのまま当てはめるのではなく、現代に合わせて調整しながら生かす「変化への対応」という考え方が大切なのかもしれません。
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