グルメサイトの点数操作は独禁法に抵触
食べログやぐるなびなどの飲食店予約サイトにおいて、サイトに掲載される店舗の順位表示に公平性を欠くなどの疑いで公正取引委員会が調査していた一件。先日調査結果が発表されました。
以下日経新聞からの引用です。
公正取引委員会は18日、17社の飲食店予約サイトの実態を調査した結果を発表した。飲食店などがグルメサイトの評価点数や掲載順が不透明と訴えており、運営会社側が恣意的に操作すれば独占禁止法違反にあたる恐れがあるとした。公取委は違反事例をまとめ、自主的な改善を求める。便利さの裏側で、飲食店や消費者が知らぬ間に不都合を押しつけられている状況が浮かび上がった。
日本経済新聞 2020年3月19日 朝刊
訴えを起こしていた飲食店からの疑惑において、公取委から独禁法違反の疑いありという結果になりました。
独禁法違反の恐れがあると指摘された点は以下のようなものです。
- 検索結果の表示順や店の評点の決め方を恣意的に操作し、特定の店の表示順位を下げたり、点数を落としたりする
- サイトに掲載する飲食店の意見を聞かず、一方的に掲載手数料を引き上げる
- 競合するサイトと同じかそれ以上の割引クーポンの掲載を要求
- 競合サイトに予約席の在庫を出さないよう制限
- 優先的に予約座席数を確保するため、予約枠を管理する中間業者を排除
似たような騒動は大手宿泊予約サイトでもありましたね。
多くの情報が集まるポータルサイトでは、生き残りをかけて競合サイト同士の競争が熾烈になる傾向があり、その煽りを受ける形でサイトに登録されている店舗などが影響を受ける場合があります。
今回のケースとは少し形が異なりますが、楽天市場の送料込み騒動やリクナビの内定辞退率データ問題なども、やはりポータルサイトにおいて過当競争からくる歪みが起因しています。問
題はそこに当事者不在のまま話が進んでしまうこと。過度な顧客中心の視点に没入するあまり、コンテンツを提供してくれている重要なステークホルダーを置き去りにしてしまうことにそもそもの問題がありそうです。
今後はホテル系や不動産系、ウエディング系の情報サイトなどでも似たような事例が出てくるかもしれませんね。
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