日経ビジネス 2010.8.30 p.78

nikkeiBP市前です。タイトルの雑誌のレビューです。

日経ビジネス 2010.8.30 p.78
経営新潮流 グローバル人事評価 同じモノサシで競争促進

 日本企業の海外展開が急速に進むにつれて、人事評価の共通基準を作る会社が増えているという内容です。工業用ファスナーなどでトップシェアを持つ中堅自動車部品メーカー、ニフコもそのうちの1社です。大きく分けると採用、人材開発、評価・報酬について人事ガイドラインを作っています。また、評価される側である社員、被評価者は、評価者と一緒に必ずキャリア開発計画を作成し、研修や異動も、このプランを踏まえて実施されることが求められているそうです。
 多くの企業の手本とされているのが世界最大の日用品メーカー、米P&Gで、人事評価基準の統一に乗り出したのは1990年代とかなり早い時期です。ニフコのように、人材を世界中で移転する必要性が高まり、人事評価制度の見直しに動きました。
 P&Gは、一般社員からマネジメント層まで、全社員の評価基準を階層ごとに統一しています。1つは「サクセスドライバー(成功のための行動特性)」という指標で、意思決定や専門性、創造性など個人の能力を示す「マインドの力」、リーダーシップや協調性などチームワークに貢献する能力を示す「社員の力」、そして複雑な状況や変化に素早く、柔軟に対応する能力を示す「機敏さの力」の3項目です。幹部クラスはさらに「スコアカード」として、事業への貢献、組織運営、法令順守など、結果を求める指標も加わっています。
 現地でのコミュニケーション能力や実行力などは、マニュアル化できない難しさがあります。その点、ニフコの人事ガイドラインやP&Gのサクセスドライバーのような評価基準は、海外展開を図る企業ばかりでなく、国内企業にも必要になるだろうと思いました。社員にとっては、企業の成長戦略が明示されることで、自発性や積極性がより求められる時代になっていくと感じました。

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