視覚障がい者が運転できる車が開発されつつあること

画像:デニス・ホン

視覚障がい者の方にとって不可能だと思われていることは多く、視覚障がい者自身が独力で車を運転することもその一つに挙げられると思います。しかし、メカニカルエンジニアのDENNIS HONG(デニス・ホン)がTEDで行ったスピーチのテーマは「視覚障害者が運転できる車を作る」でした。

デニス・ホンは全米視覚障がい者連合(NFB)から、視覚障がい者が安全に運転できる車についての依頼を受け開発に乗り出します。その頃すでに車の自動運転システムを開発していたデニスにとってこのミッションは簡単だと思っていた(自動運転システムの車に視覚障がい者を乗せるだけだと思っていた)そうですが、NFBの希望は「視覚障がい者自身が判断し運転できる車の開発」でした。デニスはこの難しいミッションをクリアルするために一から開発を行います。

このシステムは「認識」「計算」「非視覚的インターフェイス」の3つから構成されるそうで、視覚で周辺の情報を把握することが困難な視覚障がい者の代わりにGPSや車載カメラシステム等が環境を把握して車線や障害物などの情報を集め、ドライバーに伝えます。

集めた情報を視覚障がい者に伝えるための仕組みが非視覚的インターフェイスです。これは例えば身につけるデバイスを振動させたり音声で通知したりするものだそうです。

画像:DriveGripを装着したドライバーそうして通知された情報を元に運転するわけですが、ハンドルの操作の際にもDriveGripというバイブレーター付きの手袋で、ハンドルを回す方向や大きさを振動で伝えるシステムなどがあるそうです。

ただしこれらのシステムは視覚障がい者が自由に運転をすることができるというよりは、システムが視覚障がい者に対して「こう運転しなさい」と命令しているのに近いものであり、運転を楽しむということとは少し違うとデニスは指摘します(ここまででも十分すごいと思いますが)。

画像:AirPix

そこでAirPixという、点字状のパネルから空気を出すような仕組みを使い、視覚障がい者が手の感覚でおおよその道や障害物などを把握できるようなシステムも用意しました。

画像:運転する視覚障がい者これらのシステムを搭載した車は実際に視覚障がい者の方が試運転を行い、多くの観客が見守るなか最高時速43キロで運転したり、前を行く車の追い越したり、障害物の回避や細い道の通りぬけを見事にこなしています。

現在はプロトタイプの段階であるとともに、普及には保険や運転免許など技術的なこと以外にも多くの課題があると思いますが、不可能と思われていたことが実現されつつあることは当事者ならずとも楽しみに思っています。

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