勤め人のリスクは「取引先が1つだけ」であること

企業にせよフリーランスにせよ、基本的には取引先があります。取引先から仕事を発注してもらう場合もあれば、自社商品を作るために原材料を購入するための取引先もあると思います。

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複数の取引先を持つ理由

仕事をしていく上であらゆるリスクヘッジ(危機回避)を想定しておくべきだと思いますが、その中の一つに「複数の取引先を持つ」ということが言えると思います。取引先が一社だけだと、たとえその取引先が大きな組織であっても未来永劫存続するという保証は無いので、いざその取引先が倒産してしまった場合、仕事が一瞬で消えてしまうことになります。そのため、どこか一つの仕事がなくなっても大丈夫なように、複数の取引先を持っておくことがリスクを回避する上で有効な施策と考えられます。

勤め人の取引先はいくつ?

いくつの取引先を持つかはその企業の方針や体制にもよると思いますし、フリーランスも同様に個々の働き方のポリシーや人付き合いにもよるかと思いますが、大抵は複数の取引先や仕事付き合い、仕事仲間がいると思います。

僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方しかし会社に勤務している勤め人の場合、会社自体ではなく勤め人自身の取引先はいくつでしょう?よく考えると、勤め人の取引先はその人が務める会社一つということになります。これについては「僕らの時代のライフデザイン」でも指摘されています。本書は東京で活動しているフリーランスの米田智彦さんの著作ですが、仕事について自らの様々な強みを活かし、異なるジャンルで自分の経験やスキルの転用をすることで、一つの仕事が打ち切りになったとしても他の仕事で補完できる準備をしておく(複業を持つこと)方法を指摘されています。

会社員というのは「クライアントが一社のみ」という状態とも言えるのです。

会社のブランド力と個人の力は分けて考えるべき

学び続ける力 (講談社現代新書)もちろん仕事柄(例えば営業職)複数の取引先に出入りする人もいるので「自分は勤め人だけど取引先は複数だよ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし勤め人の方は、会社の看板=ブランド力を使って自らの仕事を行なっていることを忘れがちになるかもしれません。池上彰さんも著書「学び続ける力 」の中で、NHKの職員として仕事をしていた時と独立してからの仕事では、取材相手の対応がまるで違ったと述べています。それはやはり「NHK」という大きなブランドの看板の力がどれ程のものであったかを物語っています。

これらのことから、勤め人は勤め先の会社が給料や社会保障等の面倒を見てくれたり、会社のブランド力で勤め人の仕事力を向上させているなど様々なメリットがある一方で、実際には「取引先が一つだけ」というリスクを背負っていることも考慮しておいた方が良いと思います。

これについては年齢が若かろうが年配だろうが、平社員だろうが上役だろうが、会社が小さかろうが大きかろうがという点でこれらのリスクが違うということも言えません。上役であっても逆に給料が高いことで、その額が仕事の生産性とマッチしていなければ逆にリストラの対象になりやすいでしょうし、実際にそういう動きは世間でもよく取り上げられています。ビジネス系の書籍や雑誌もここのところこのネタが増えました。

基本的に仕事をすることにおいては勤め人もフリーランスも心得るべきことや危機意識に差はないと思っています。その意味で勤め人の方には「自分も一フリーランス」「フリーエージェント制の中で生きている」ことを意識する必要があるのかなと思う次第です。

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