Facebookが出会い機能を導入するのは他SNSに対する同質化競争という見立て

スマホを使う女性

Facebookが近く、新たに出会い機能を実装すると発表しました。

フェイスブック、出会い機能を導入へ CEOが発表 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News

機能について記事の中で一部紹介されている箇所を引用します。

同社の発表によると、「ユーザーは通常のプロフィールとは別に、出会い機能専用のプロフィールを作ることができ、デート相手の好みや共通点、共通の友人を基に、マッチングの候補がお薦めされる」という。出会い用の非公開プロフィールを作成すると、地元のグループやイベントの情報や、参加予定の人のプロフィールが閲覧可能になる。

このニュースを見た時にいろいろ考えというか見立てが思い浮かんだので、メモを兼ねて書いてみます。

今回の記事を見て感じたのは、Facebookは他SNS、特にTwitterに対して同質化競争を仕掛けようとしているのではということです。

Facebookは昨今の個人情報流出問題があるものの業績は概ね好調を維持しているようで、今後も成長できる余地があると考えているのではと思います。

とはいえ若い世代のFacebook離れは深刻で、日本だけでなく海外でも同様の傾向があるようです。周りの若い知り合いに聞いてもFacebookを積極的に利用している人は少ないことを実感します。

そうした若い年代のユーザー獲得を想定した戦略として、Facebookは出会い機能を目玉として出してきたと思います。

先日投稿した「ゲームとSNSの掛け合わせを実際に色々やってみて感じること」にも書いたように、最近はTwitterで若い年代の方や、今まで関わりのなかったユーザーさんとやり取りをすることが多くなりました。

FacebookとTwitterの違いは色々ありますが、Twitterは匿名や裏垢(メインのアカウントとは別にユーザー登録をして利用するアカウント)といった、Facebookにはない使い方があります。

実名で利用することが原則のFacebookでは、リアルとネットの自分を同じものとして扱う必要がありますが、Twitterの場合は実名で利用する必要はなく、それ故目的に応じた匿名のアカウントを利用しやすくもあります。

若い年代の方は家族や会社の同僚・上司などといった近い利害関係者と、実名で繋がりやすいFacebookを敬遠する傾向があります。考えてみれば当然で、自分の日頃の行いや考えを素のまま投稿していれば、いろいろ差し支えが出てくることは十分考えられます。またFacebookの多機能さや情報の公開範囲設定が複雑なことも敬遠される理由として挙げられます。

つまり若い年代の方はいろいろ縛りの多いFacebookよりも、より自由にシンプルに、またちょっとしたリスキーな使い方もできるTwitterなどのサービスが使いやすいと考えて利用していることが考えられます。

ここで一般的には「FacebookにできてTwitterにはできない差別化戦略を考える必要がある」と考えるかもしれませんが、Facebookは逆に「Twitterと近い戦略を立て、かつその点においては強者のスケールメリットを活かせる同質化戦略」として出会い機能を考えたのではないかと思います。

差別化においては上で述べたようにFacebook独自の機能はありますが、それは若い年代に訴求できる要因にはなっていない(むしろ弊害になっている可能性がある)。であるならば、他のSNSが若い年代をキャッチしている戦略そのもの(自由さ、シンプルさ、リスキーさ)を模倣しつつ、Facebookが持つ資金力などの地力を活かして大々的なプロモーションを打ち訴求することで、Twitterや他のSNSに対して同質化競争に巻き込もうとしているのではと考えられます。

以上が今回のニュースに対する自分の見立てです。これが将来どんな形になるか(大して話題にならない可能性もあります)、しばらく見守りたいと思います。

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