書評「介護に学ぶ シニアのおもてなしマーケティング」

書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」さんの献本募集で「介護に学ぶ シニアのおもてなしマーケティング」をいただいたので書評をアップします。

高齢化が進む日本においてシニアに対する知見は、プライベートだけでなくビジネスにおいても重要な情報資産となり得ます。

本書では介護福祉事業とシニアビジネスに特化したコンサルタントである筆者が、当事者であるシニアや仕事を通じて直接見聞きし蓄積した、いわゆる一次情報が詰まった事例集と言えるでしょう。

シニアにおける市場を4つの特徴で捉えつつ、さまざまなビジネスの分野で抑えておくべきシニアの特性について、簡易な文章と具体的な例で紹介されています。

驚くべきはその事例の多さと分野の幅広さ。飲食店/ハウスメーカー/スーパーマーケットなど多くの業種におけるシニアへの配慮すべきポイントや、シニアを想定した販促活動、介護の現場におけるシニアへの配慮の仕方、シニアのインターネット利用において気をつけたいアクセシビリティの確保など多くのケーススタディが網羅されています。

例としてシニアが交差点の信号を見誤る時、それは見るべき信号ではなく対角線上の信号を見てしまうことがあるなど「まさか」と思わずにはいられない事例なども。

それぞれのケーススタディには、その業種特有の事例もあれば、他業種での活動で活かせるポイントなどもあります。シニア向け販促活動であれば幅広いサービスでも応用できますし、ネット利用についてのポイントも、アクセシビリティの観点からすれば健常者だけでなく障害者も含めた対応へと幅を広げることもできます。

こうした事例における応用の幅広さが期待できる点も本書の魅力です。

シニアに対しては身体的な衰えからくる変化だけでなく、心理的な変化も他の年代とは異なる点が多いものです。一方で他の年代は実際にシニアとしての人生を体験していないだけに、シニアが他の年代と異なる部分についてなかなか理解できなかったり、考えが及ばないこともあります。

そうした場合でも本書を読むことでシニアの実像を理解し、シニアへの適切な対応を心がけることができ、ひいてはそれぞれのビジネスやプライベートでも活かせる知見を得ることができるのではと思います。

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